第45話:シアトルから日本へ帰国とファーウェイ問題

 工場見学の前にカメラもスマホもロッカーに預ける必要がある。一切撮影禁止だが、ツアーの前後は自由に撮影できた。ツアー前にロビー棟の屋上に上がると駐機場に、たまたまドリームリフターが停まっているのが見えた。ボーイング787・ドリームライナーの大きな部品を世界中の製造委託先から運び込む。


 そのための輸送機の、ずんぐりとしたフォルムがユーモラスで可愛いかった。この輸送機は、世界に4機しかなく日本では近くに製造委託工場が多い中部セントレア空港で、ごく希に見られるだけだそうだ。世界最大の容積を誇る建造物だけあり、ひとつのブロックだけでも何機分もの飛行機の本体や部品があり壮観。


日本人ガイドさんは、とても親切で人当たりも柔らかで、楽しいツアーだった。博物館では昼食も含め2時間ほどありましたが、時間が足りない程だった。いろんな飛行機に触れて楽しかったです。とにかく、世界一大きな工場で、飛行機の部品も巨大でアメリカらしい工場という感じがした。


 達也は、個人的に、もっと、航空博物館を見学する時間が欲しかったというのはいつわらざる感想だった。艶子さんは、すごいと言う言葉を何回も使い、工場の規模に終始、驚いている様子だった。しかし、昼食は、美味しくない、アメリカらしい昼食ダットを笑いながら語った。


 見学を終え17時半頃にホテルに送ってきてもらい部屋でゆっくりし先日行った、ショッピングモール1階のレストランに行って美味しい夕食を食べた。昨晩と同じウエイトレスが来て、注文を取る時に、達也が君のお奨めはと聞いて、それを注文した。パンが美味しいので、問題なかったがついてきたスープの味が今1つだった。


 しかし、珈琲は美味しかった。翌、2019年7月30日、朝、7時過ぎに起きて、日本に帰る支度を終えて、ホテルで朝食をとり、フロントで精算を済まして、9時に空港行きのシャトルにのってシアトル・タコマ空港へ9時半に空港の到着し、空港のレストランで朝食をとって、登場口にへ行った。


 そこで登場手続きを終えて、近くのカフェで待ち、昼食をとり13時過ぎに登場案内が始まり飛行機に乗り込んでシアトルを飛びたった。その後、飛行機の振動で、眠りについた、起きてしばらく映画を見ていた。しかし、再び、眠りにつき、食事で起こされた。そのごもうつらうつらしていてた。


 起きて映画を見始めるが、また夢の中へ。そんな事をしているうち、眠ってしまい、あと1時間ほどで、成田到着ですとのアナウンスで起きた。奥さんは、ずっと寝ていて、食事の時に起きた、しかしアナウンスですっきりと起きた。しばらくして、着陸態勢に入り、無事着陸し、荷物を下ろして、日本の入国手続きをとった。


 その後、成田空港を出た。その後、エアポートライナーで新宿まで行き、そこから中央線快速特急に乗り換えで武蔵野の家に帰った。時差の関係で2019年7月31日、夜18時近くになっていた。この年も暑い年で、達也夫妻も汗びっしょりになり、武蔵野の実家へ帰ってきた。無事帰って来たとの挨拶をして、お土産を渡した。


 その後、風呂に入って、両親とアメリカでは、ファーウェイ事件やトランプ大統領の中国への関税問題で、中国人の研究者に対する風当たりがきつく、多くの若手プログラマーがアメリカを離れているという情報が、数多く入ったと報告した。確かに、メキシの壁などで人種差別もんだが再び、多くなった感じがすると達也が率直な印象を父に語った。その晩も時差で、寝るのが1時過ぎた。


 翌朝は9時まで起きれなかった。やがて、普段どおりのペースに戻り、大学の卒業論文の作成に取りかかり、アメリカのシリコンバレーでのコンピュータ言語のニーズと人種問題について、書き始めた。この卒論のテーマとサマリーを指導教官に提出すると、個性的な論文で面白いと思うと言われ、卒業論文に着手し始めた。


 この3年にわたる夏休みのシリコンバレーでの活動と、そこから見えて来た、アジア人、特に中国人とアメリカ人との関わり合いとファーウェイ問題やアメリカのコンピュ-ターへのハッキング問題などをからめて書き始めた。そこには、中国の国としてのソフトウェア産業へ力の入れようが、他の国と段違いであった。


 研究費の補助金も政府が拠出する格好で膨大な金額。そのためにソフトウェアの技術向上はめざましく真偽は別としてもアメリカの大企業、政府、国防関係の部署へのハッキングが、頻繁に起こっている問題などからトランプ大統領が不公平を正すとして、中国製品への報復関税をかけ始めた。その泥仕合が、ひどくなってきた。

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