第126話 氷雪のダンジョン
俺たちの新たな旅は波乱の幕開けとなった。
その要因は、なんといっても
「女だけの冒険者パーティーとかあるのね」
「まあ、でも、ウィローズさんのところだけだと思いますよ?」
「でもインパクトは凄かったわよね」
「は、はい、驚きました」
翌日。
氷雪のダンジョンに向かう途中であがった話題は、ほぼウィローズ絡みのものばかりだった。
確かに……全員女性のパーティーっていうのはインパクトあるよな。
おまけにかなり大規模だし。
Aランクというのも、実績を重視した感じには思えなかった。
彼女が本物の
となると、考えられるのはこの氷雪のダンジョンに彼女の望むアイテムが眠っているということくらいか。
「ジェシカ、このダンジョンで得られる最高のアイテムって?」
「うーん……【アイス・フェアリー】でしょうか」
「【アイス・フェアリー】?」
「このダンジョンでしか咲かない花のことよ。――これね」
イルナはカタログにある【アイス・フェアリー】のページを開いて俺に見せる。
それによると、
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
アイテム名 【アイス・フェアリー】
希少度 【★★★★★★★★☆☆】
解錠レベル 【665】
平均相場価格【700万~800万ドール】
詳細 【呪いの一部を無効化する】
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ということらしい。
「呪いの無効化か……」
思い出されるのはフローレンス伯爵家のご令嬢。
あの呪いも、本来はこうしたアイテムを使って解除するのだろうが……ここまでの希少度だと市場にも出回らないだろうし、入手は困難だな。
「彼女たちの狙いはこれと見て間違いなさそうだな」
「この花の咲くポイントはランダムだそうだから、単純に最奥部を目指せばいいってわけじゃないのね」
「それはなんとも厄介な……」
ダンジョン内でウィローズとバッタリ遭遇ってこともあり得るのか。
……ただ、まあ、ドン・ガーネスみたいなタイプよりは話が通じそうな気がする。もっとも、向こうは男である俺を毛嫌いしているようなので、説得役は女子四人に任せなくてはいけないが。
「あっ、見えてきたわよ」
ミルフィの声でハッと我に返り、顔を前に向ける。
そこには、まるで俺たちを飲み込もうとしているかのように、ダンジョンへの入口が大きく口を開けていた。
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