第65話 【百合デート回】ライナと、下着を見せ合う!
(──もうどうなっても知らないわよぉ秋乃)
センドラーの言葉を無視して私たちは店の中へ。
チリンチリン──。
店のドアを開けるとおしゃれなベルの音が鳴る。
それに中に入った途端アロマの香りがほんのりと感じ始めた。
洒落な店なんだなここは。
「いらっしゃい」
店の奥からふくよかなおばさんが出てきた。
店の中にはかわいらしい下着類がたくさん展示されている。
ライナはすぐに展示されている下着類を興味津々に見つめ始めた。
「センドラー様は、いったいどんな色の下着を履くんですか?」
「下着? いろいろあるけど私は青やエメラルドなんかが多いかな。けどなんで?」
「できればなんですけど、パンツをお揃いにできたらなぁって」
(秋乃、今すぐこの店を出なさい。私たちの貞操が守られている前に)
センドラーって、意外と心配性なんだね。もう無視しよ。
ライナは楽しそうに下着類をいろいろ手に取る。ここではブラの試着が認められているらしい。
ライナははっと喜んで青やエメラルドの下着を手に取り試着室へ。
そして数秒ほどたつと、ライナが出て来た。
「どうですかぁ~~、センドラー様あ~~」
「ライナ、流石にその姿は……」
予想もしなかった姿に、私は思わず言葉を失ってしまう。
今のライナは、洋服を脱いで下着姿になっている。
キュッとしたお尻に、小ぶりな胸。かわいい胸を支えているのは、薄いエメラルド色のブラ。
彼女の純白の肌ととても似合っている。
とってもキュートでかわいらしい。
「センドラー様ぁ~~。どうですか? 私の下着姿は」
うっとりとした表情で、体をフリフリする。
まるで私を誘惑するように──。
ライナのキュートなお尻と小柄な胸が、私を発情させようと揺れていた。最初は驚いちゃったけど、悪くない。他にお客さんはいないし、折角だから楽しもう。
かわいい!
「いいよライナ。かわいい! 超素敵」
「あ、あ、ありがとうございます! そう言っていただけると本当に嬉しいです。
ぜひ食べていただけると助かります。召し上がってください」
そしてライナは腕を後ろにおいて、胸を張る。私を発情させようと誘惑しようとしているのだろうか。
「ご、ごめん、そこまでは──」
私は引き攣った笑いを浮かべ、両手を振ってこたえた。
断った理由。決まってるじゃん。だって……。
(絶対断って。変な事になったら、二度と変わってあげないから!)
後ろのセンドラーの様相がすごいことになっていたからだ……。
ライナも、それを察したのか一息ついて、言葉を返す。
「そうですね、怒っちゃいますよね」
うん。もう遅いけど……。
そして、そそくさとカーテンの中へと戻っていった。
それからもライナはいろいろなブラを着て、私に見せてくる。
純白に、水色どれもライナのかわいさをとても引き立てているものだった。
そして最後、フリフリの柄が付いたピンク色のブラジャー。
ピンク色と、ライナ自身が持っているキュートなかわいさが、とてもマッチしていると思った。
思わず親指を立てて一言。
「でもすごいよ。キュートでとってもかわいかった。いいんじゃない?」
「あ、あ、ありがとうございます。そう言っていただけろと、とてもうれしいです。すいません、これ、私とセンドラー様の分、買います」
「センドラー様とおそろね、わかったわ……」
ああ……、一緒の下着を買う約束でしたね。
その後、私の分のブラも購入。
私がブラを試着した時のライナの表情。
感情のメーターが振り切れたのだろう。じーっと私の胸を見ながら、フリーズしたように全く動かなかった。
あと、同じ色のパンツも購入。サイズも、目視だけどきちっと確かめた。
しかしお揃いのブラジャー。親友みたいでなんか憧れちゃうなあ──。
「そういえば、一緒の下着だと洗濯したらわからなくなっちゃうわね」
ブラジャーならサイスでわかるが、パンツだと間違えて履いちゃうかもしれない。
気を付けなきゃ……。
「へへ。確かにそうかもしれないですね。だから、もしセンドラー様のパンツをはいてしまったら──、その時はごめんなさいですぅ」
ライナは今までないくらい満面の笑みを見せる。
(こ、こいつもしかしてわざと間違えようとしているんじゃ……)
(センドラー、人を疑うなんてよくないわ。あなたさっきから考えすぎよ)
(秋乃。あんたちょっとは身の危険を感じたりしなさいよぉ)
大丈夫だよ。こう見えてもライナは、分別のついたおとなしくて良い女の子なんだから。
一線を越えるようなことはさすがにしないと思う。……多分。
その後、会計。良さそうな柄だけに、高くついちゃったけど、値段なりの物は買えたと思う。
そして私たちは店を出て再び商店街へ。
その後も、私たちは街でいろいろ楽しんだ。出店でパフェを買ったり(当然私はチョコミント味)、珍しい雑貨を見たり。
ライナもとっても喜んでくれたし、私もいろいろ会話をしたりして楽しんだ。
それから、ライナは一軒の店を見つけ、私の服の裾をつかむ。
「センドラー様、次はあそこに行きたいですぅ」
ライナに振り回される一日。
一緒におしゃれなカフェでケーキを食べたり。遊んだり。
最近政局争いばかりで気が滅入ってばかりだったから、とても息抜きになった。
気が付けばあっという間に夕方だ。
大きな広場。
沈みゆく夕日を浴びながらライナは満面の笑みを私に向けてくる。
「今日は、センドラー様と一緒にデー、お出かけができてとっても楽しかったです」
「そうね。私も、本当に楽しかった。また一緒に、こんなことができたらいいね」
「はい──」
本当にそう思う。そしてライナと私は手をつなぐ。もちろん、指と指を絡めあう恋人つなぎ。
私の手全体に、ライナの柔らかくてふわふわした手の感触が伝わる。
日ごろの疲れが吹き飛んだ、楽しい一日だった!
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