第187話 『Season2』終演。

「生徒会運営に携わるという貴重な経験が出来る」


 などなどの殺し文句を連発するものの、亮介の心にはまったく響かない。

「ほら、自分の思うような学園運営が提案出来るんだ」夏波は熱く語るが暖簾に腕押し。


「亮介。スカートをミニスカに変える提案出せるじゃん」


 咲乃は小説の更新を終え本格的にからかいに参入するも、


(ん? それはアリなんじゃね?)ほんの少し亮介のハートに火がついた。


「会長。そういうのもありなんですか?」

「正当性が認められれば、だがな」

「ほら、亮介。得意の屁理屈並べたらなんとかなるよ」


 風向きが変わった。そして亮介の顔つきも変わった。


(挑戦してみる価値があるのでは……)言ってることはそれなりにサマになっているが、考えていることは『制服をミニスカ』にチェンジすること。しかし、亮介はここに留まる男ではなかった。


「会長。女子の体操服の半パンをブルマにする必要性を感じます」

「女子の水着なんですが、スクール水着に戻すべきです。もちろんゼッケンは胸元な」


 そんな感じの提案を矢継ぎ早に放った。会長の夏波は『背に腹は代えられない』そんな表情をするも、現実路線の副会長の田所は苦い顔しながら答えた。


「いや、もしその提案の正当性が認められたとして、実行されるのは数年先になるが…」

 その当たり前とも言える回答に亮介はこの世の終わりみたいな顔した。気を持たせた責任を感じたのか咲乃が口を開く。


「まぁまぁ、がっかりしない。ブルマにスクール水着くらいなら私、着てあげるから。なんだったら京子もなんとかなるって。あと京子の妹ちゃん、花火だっけ? 詩音は頼まなくても着ると思うしね」


 元気付けるもいまいち効果がない。そこで咲乃は無茶振りをする。


「ほら、会長も副会長も着るってさ」


 それを聞きた会長は『背に腹は代えられない』路線を継続するも、寝耳に水の副会長、田所は声を裏返して嫌がる。


「ムリムリムリ!! ブルマにスク水なんて、私無理だから! 持ってないし!」

「ゆりか。ここはアレだ、大人になって要求を…」

「いやいやいや、ブルマ履かされるのに、大人とか意味分かんないし、スク水だって買ったら高いぞ。まさか、自腹なの?」


「あぁ、副会長。そこは自腹の方が無難かも。この男にお金出させたら履いたあとのやつ『所有権オレな』みたいに平気に持ち帰りますよ、それにこの男に調達させたら『サポーター』なんて、生易しいもん用意しないですから。どうします? サポーターなしで履いたやつ持ち帰られたら…」


 副会長、田所ゆりかはジト目で亮介を見た。しかしながら亮介はジト目で見られるのは好物だった。



 そんな訳で『生徒会編』へと続く? のか……?


『Season2』お後がよろしいようで。



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学園のアイドルと付き合ってたオレが捨てられて地味系女子と平穏な日々を手に入れたのだが。 アサガキタ @sazanami023

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