ハーレムモードが書けないのはハーレムを経験してないから

第133話 リターンズ?聞いてないよ!

 月日は流れで流れて亮介たちは2年に進級していた。


 一時は進級を危ぶまれた京子ではあったが『なりふり構わない』活動によりなんとか赤点を回避した。


 非合法活動についてはちょっと言えない――京子曰く『バレ』なきゃいいのよ、『勝てば官軍』だそうだ。


 京子の妹――みやび。姉に負けず劣らずの『おバカ』ではあったが――


『勇気』『友情』『修行』の三拍子を上手く活用した亮介に乗せられたまんまと成績アップし、姉と同じ制服を着ることとなった。


 詩音は――キャラ変し『学園のアイドル』に返り咲いたものの――時折見せる隠しきれない『オタク臭』以前とは支持層も猛烈チェンジした。


 その結果最近では『学園の()アイドル』化していたが、それはそれで居心地がいいようだ。


 後―最大の変化点があるとしたら…『死の天使』こと咲乃が転入してきたことくらいだ。


 いや、強引だろ、そう亮介は思ったのだが―家庭の事情なるものを『あ―でもない』『こーでもない』を捏造し―転入ミッションを成功させた。


 そして―主人公であるはずの亮介は――


 只今絶賛土下座中――きれいに丸まった『手慣れた土下座』をソファーに座って見下ろすのは――


 ファミレス『ナシュビル』店長の望であった。亮介は『お願いの』があって参上していた。


 土下座で――


「―でだ。つまりはこうか?自分が『ハーレムモード』を書けないのはハーレムを経験してないから、だと?」


「その通りでございます」


「それで周りを見渡せば――『あれ?これハーレムモードじゃね?』と?」


「お察しの通り」


 亮介はキレイな土下座を崩さない。ふたりの関係は『清いお付き合い』状態だった。


 腕組をしながら望は唸る――


(どーしょう。変に縛り付けてもするものはする。ここは大人の余裕などを見せるのも―あり寄りのアリなのだが―)


 そう考える望ではあったが『大人の余裕』など微塵もない。しかも亮介に対しては『ミジンコメンタル』心配で仕方ない――


 表面とは裏腹に『捨てられるのでは』と戦々恐々ではあったが――


 ここは『信じたてい』で行こう――土下座までされたら仕方ない。


「まぁ、芸の肥やしならぬ『話のネタ』なら仕方ないな。わかったよ―でも一線は越えないように!」


 ささやかな『釘を刺した』望ではあったが――


『一線』なるものそれぞれに物差しがある。


 望の『一線』の概念は―『ボディータッチ』はNGだった。その『ボディータッチ』も『手を繋ぐ』もなし、という貞操概念バリバリだせ!仕様だったが――


 亮介の『一線』は単純明快――『婚姻』すること『一線』と定めていた。つまりは『籍』さえ入れなければオールオッケーなる『ザル』基準。


 しかも、日本国憲法がまだ彼の婚姻を許していない。まだ彼は17になる年だ。


 様々な思いを秘めてSeason2の幕が切って落とされようとしていた。


《欄外告知》

変更点

・Season2より1人称を3人称に変更しました。

・更新は不定期ですが、週4〜5話更新したいと思います。

・作者モチベ維持のため☆評価頂ければうれしいです。



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