第124話 気になる人。
「きのう
雅の中途半端な予言が、なんか変に当たってる。当たってるから変にやりにくいし、妙に対策されてる感じだ。
「白紙って別れるのとなんか違いあるの?」
ごもっとも。何も違いはない。言葉遊びと言われればそのとおりだ。騙すつもりはないものの、きれい事で済ましたい気だった。
友達として―そんな都合いいことを思っていた。
「違わないよ、うん。京子の言うとおりだ」
「別れないって言ったら、どうなの?」
「どうと言われても。京子の無関心が変わるわけでもないだろ」
「無関心じゃなくて―ほら、その、なんだ?放置気味?」
「ほぼ同じだよね」
「―でも私は構ってほしい」
「知ってる。構ってほしいけど、構うのが面倒なのも。それってバランス悪いよ」
「反省してるって」
中庭には他の生徒もちらほらいるが、少し離れていて声を張らない限り聞こえない。オレは日陰にあるベンチに京子を誘い座らせた。
「1度白紙には戻して、やり直さないか」
「白紙に戻して白紙のままってのもあるよね」
「このまま会うたびに、この話ってのもある」
「具体的に聞くけど―もう喋んないの?」
「いや、そこまでは」
「電話とか、ビデオトークは駄目なの?」
「用事があるなら」
「相談とかは?」
「乗れる時は乗るよ」
「登校とかは別なの?」
「ん…まぁ、変わらなくても」
「変わんなくない?それって、別に白紙にしなくてもよくない?」
「気になってる人が―」
「あっ、ごめん。わかった、うん。白紙な、了解です。そう、今回は私の落ち度を認めましょう、ここはでっかい
「それ、
「違う」
「『
「違うよ」
「あの、もしかして、まさか、そんな―み、み、み、雅ですか!?いや、それダメだよ!それはアカンって姉妹だよ?姉妹制覇とか、ちょっと勘弁だよ、えっ何?私、雅に寝取られる感じなの?寝取られるって、えっ!?雅と寝たの?」
何でそうなるんだ。相変わらずのポンコツなんだからな。構ったり、構われたりお互いにし合う関係なら、このまま行ったんだろなぁ。
このポンコツ振りを見てたら、接していたらこのままでいいや、と思ってしまうのも事実なんだよなぁ。ひょっとしたら変わるかもだし、この考え方って未練よな。
「寝てない、当たり前だけど。寝取られるってそもそも、お前とも寝てないだろ?根本おかしくない?」
「あっ、そっか。そうだよね、そうだった。そうか、うん。この『3人』じゃないんだね、でも覚悟しなよ、
カノジョの時にその頑張り出せよ。ホントに。
そしてオレたちの淡い恋愛模様は一区切りすることになった。
あっさりとした出会い、あっさりとした別れ。いや、一旦休憩かな。よくわからないけど。
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