第四話 江戸
人工メガフロート特別市、江戸 これがメガフロート島に付いた名前だった。
そこには各国の大使館や日本の中央省庁の出張所が置かれるビル街や各国の大使の
信任状捧呈式などで用いる迎賓館、その他民間企業が造る一大都市が広がっており
郊外にはちょっとした機械化農地が広がっていた。
技術流出防止法などの様々な法規制によって日本列島への立ち入りは禁止されているがこの都市のみでその国力の一端を伺い知れるということだ。
(実際はそんなレベルじゃないが)
また技術流出防止法などはこの時代にあった製品の輸出などを禁じているわけではないので日本各地で生産されている物を輸出する際に貿易港となる役目もこの都市は担ている。
特に各地で生産されているブランド品は高値で売れるであろうと日本政府、特に
農林水産省は考えていた。
前地球では原発事故の影響でなかなか日本の農水産品は売れなかったからである。
そして日本皇国政府は友好通商条約を結んだ各国に対して交易の準備が整ったことを伝え、同時に此方も大使を派遣する旨を通達した。
そして続々と各国の代表が来日した。一番乗りは天皇との会談も予定されている国王も代表団として来日したハワイ王国である。勿論彼らは海上に浮かぶ摩天楼に感動し
驚嘆する者がほとんどであったが、大使館の位置を知ると中には泣き出す者もいた。
その位置はほぼ島の中心で最も良い待遇の場所であった。列強ではない国としては
あり得ない措置であった。
当初日本皇国政府は20世紀の王者、グレートブリテン及びアイルランド連合王国か
21世紀の王者アメリカ合衆国にその場所を指定する予定であったが天皇からの要請によってハワイ王国にその場所が与えられることになった。
それは前地球でも少なかった太平洋の島国の王家に親しみを覚えたからではないかと言われている。その後太平洋で重要なパートナーとなるハワイ王国が21世紀現在でも残っているのは日本との同盟あってのことであった。
その後多くの代表団が来日し度肝を抜かれることになる。
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