第597話 遠ざかる意識の中、目にしたのは

あまりもの痛さに意識が飛びそうにる。


こんな所でこんな風に僕は死ぬのか・・・・


この国で僕に打ち勝つ存在がいるとは思ってもみませんでした。


さよなら・・・・


そう思ったんだけど、僕は・・・・・ぐがあ!!!!!



刺さった剣を誰かが引っこ抜きます。

その痛みで意識が戻りました。


「実の父親に何て事しているの!」


「だって母上、いきなり現れたから侵入者だと思ったのよ!」


「だからって背後からお尻に剣を突き刺すなんて!ああ旦那さま!私よザーラよ!しっかり!」


「ああザーラか。君は歳を重ねてより魅力的な女になったね。ここでお別れなのは残念な「大丈夫です!お尻の穴に刺さっただけです!痔になるかもだけど大丈夫!」んだ・・・・肛門に刺さったのかい?」


どうやら長女に背後から剣をお尻の穴に突き刺されたようです。


だけど剣だからね。

僕の腸は剣で切られて血だらけ・・・・

無論肛門もね。


これこれから大便をするの大丈夫なんだろうか・・・・??


そう思ったのを最後に僕は意識を手放しました。


・・・・

・・・

・・



気が付くと僕は寝ていたようです。

あれ?何してたっけ?


そして何やら見覚えのある部屋な気がします。


ぼーっと周りを見ていると、そうだここは城で僕が滞在する時に暮らしている場所。

まあゲートですぐに領地に戻れるのですが、そこはまあアーダとザーラはここ10年ほど領地と城を行ったり来たり。

そして最近はずっと城に住んでいます。

何せ子供は王族扱いなので、子供と共にずっと城で暮らしているんです。


そして僕が城にやってくると、アーダとザーラは僕と寝室を共にします。まあ夫婦なので当たり前と言えば当たり前なのですが。

そして今寝かされていたのはその寝室。

そうは言っても寝室も広く、ベッドも5つほどあります。何で?と思うのですが、それはまあ活用次第?一体どういう活用方法があるのか知りませんが。


そして僕の寝ていたベッドの横には、椅子に腰掛け舟をこいでいる女性の姿が。


ザーラの娘でした。


ここ数年満足に口もきいていません。

顔も殆ど見かけていない。うぅ、申し訳ない。

だけどザーラの王族なのでこれは仕方ないそうな。

だけど油断したとはいえ、僕の背後から気配を悟られる事なくブスッと行ったあの能力。

彼女は我が娘ながら相当の使い手なのでは?


「あ、お父様気が付きましたね。」


僕はそんなに曲者だったのだろうか?そう言えば魔大陸の手前までフェンリルの背に乗り、旅をしていたのでそれなりな格好をしていたので、普段は見せない姿だったのは否めません。

王都でこんな格好をしないので不審者に見えたのかも?


「すまないね。アーダとザーラはいるかい?しばしの別れに来たんだよ。」


「え!おとうさまそれは!ごごっごめんんなささい!!!!悪いのは私だから別れるとか言わないで!お母様はお父様をそりゃあ愛しているのよ!アーダおばさまもよ!お尻を刺しちゃったのは謝るから!」


「言い方が悪かったね。僕はこれから魔大陸に渡ります。暫く向こうで過ごすから、そうそうこちらに来れないんだ。」


そこまで言ったところでアーダとザーラがやってきました。


「じゅ、順平殿!我を捨てるのか?」


「いや!捨てないで!そんな事をされたら生きていけないわ!」


「待って2人とも。そうじゃない。捨てないよ。そっちから愛想をつかされない限りは大丈夫。そうじゃなくてね、今から魔大陸に向かうから、暫く会えないと言いに来たんだよ。」


「ついに魔大陸か。」


「うん。」


「魔大陸は色々な魔物が居ると聞く。しかもこちらの常識の通用せぬ化け物ぞろいと聞く。そうかそれは残念じゃ。それより少しは時間はあるのかの?」


「まあお昼過ぎまでは問題ないよ。」


「そうか。それでは・・・・」


「あ、私陛下にお知らせに行ってまいりますわ!ここには戻りませんからご、ごゆっくり・・・・」


・・・・娘に変に気を遣わせた?


「そういう訳じゃ順平殿。久しぶりに愛してたもれ。」


「あ、お姉さま私も!」

「む・・・・では久しぶりに3人で致そうぞ。」

え?

え?まだ僕お尻の怪我が・・・・ってーあーーーーー!!!!!


何が起こったのかはその、お察し下さい・・・・

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