第590話 動きが速すぎあっという間に追いつかれる

追ってきている何かの動きが速くて、どう考えても追いつかれる!


「駄目だ追いつかれる!迎え撃とう。何処かいい場所へ!できれば平原で!」


【わかった!あそこがいいだろう。】


周りは岩でごつごつしているので、足場を確保したいのと、小細工は必要ないと思い、敢えて見晴らしのいい場所を選択します。


フェンリルが何とか平原に突入したと同時に、すぐ背後の正体不明の追手?が殺気をまき散らしながら迫っているのを感じました。


どっち?フェンリルか僕かガルムかオイヴィか。

この時既にオイヴィは僕達と少し離れた場所を並行して走っていて、どうやら僕かフェンリルが狙われているようです。


オイヴィと目が合いました。

きっとこれから僕が何かをしても、何かしらのサポートが期待できます。


僕は自分の身体をスキルで強化し、今までと違いフェンリルには念話を送ります。


【身体を強化した。これからこのまま飛び降りる。どっちが狙われているか分からないから臨機応変で。】

【わかった!】


僕はそのままフェンリルから飛び降りようと後ろに勢いよく飛び・・・・そのまま相手がいると思われる方向に向きますが・・・・むにゅ?

どうやらその何者かは僕の行動を読めなかったのか、僕を抱きしめる形になったようです。

そのまま僕はその相手?とともに地面に激突します。


「きゃああ!!」


うん?何かきゃあと聞こえた気がしますがそのまま相手を捕まえたまま地面を転がります。


そして僕は、息ができない事に気が付きます。

「ふぎゅう・・・・」


く、苦しい・・・・

因みに僕は背を地面に、何か正体不明のを抱きしめる形で倒れています。

相手は・・・・生命?

何か脱力している気がします。

そして顔の近くの物体を押しのけます。

ふにゅ


何か柔らかい何かが両手に。

押しのけると・・・・なんだかいい匂い?ちょっとムラムラする刺激的な感じ?


・・・・どうやら女性ですね。しかも僕は今相手の胸を押し上げていて、感触がいいとか考えています。

それにしてもなんだろうこの匂い?


で、見ると・・・・うん、綺麗な顔が見えました。ああやっぱりこのパターンなんだね。

じっと見ようとしたら突然目がパチッと。


お互い見つめあってしまいます。


「あ・・・・あ・・・・ち・・・・」


あ?ち?


「父の仇!」


あ、今動いたら・・・・

そのまま目の前の女性は僕の顔に顔面ダイブをかます形に。

ガツン!


痛い・・・・歯が・・・・相手の歯が僕の歯に当たったよ・・・・


「ぎゃああ・・・・何をする!ってうわあああ!!」


「そこまでだ!」


オイヴィが目の前の女性を拘束してくれました。

だけど父の仇って言われても、何者?


「順平殿、大丈夫・・・・ではないな?動けるか?」


「ああ、すまないさっきので口を切ったようだ・・・・で、誰?」


ふんがあふんがあと言っているけど、彼女も口を切ったのか口元血まみれ。


「どうやら魔族のよう。つまり魔王と同族だな。」


そうなの?そう言えば魔王の姿ってどんなだっけ?いやそもそも既に別の身体に乗っ取っていたから姿で判別できないよね?


「オイヴィよく魔族ってわかるな。魔王って人の身体に乗っ取ってたからわからないよ。」


「こめかみ付近に角が生えているのが魔族だ。」


そんなの生えているの?


僕が手を伸ばしたので、オイヴィが慌てています。

「あ、待って!」


遅かった・・・・すでに触ってしまったよ。

あれ?特に角っぽいのがわからないんだけど。


ぐりぐり?

「ううんんんん!!!!!」


暴れ始めちゃったよ!もしかして急所だったり?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る