第533話 飛び交う魔法
ポチが着陸でいいのかな?地面に降り立ったと思ったら、章君の近くに居たエルフのお姉・・・・さんだけどバイエンス氏の奥様からのありがたくない歓迎を受けました。
つまり魔法です。
それも相当威力のある魔法で、見事にポチに当たりました。
「GUGAAAAAAA!!!!」
【主よ痛いぞ?】
【すまないポチ。向こうからは僕達が見えないみたいだ。】
【何故だ!魔法を唱える前に確認ぐらいできるのではないのか、主よ!】
【そう言っても実際攻撃を受けているからなあ?】
章君を見ると・・・・あ、あれはやばい!
僕は無駄と知りつつ声を張り上げ(何せ魔法の音がすさまじく、声を発しても向こうまで聞こえていないだろう)
アピールしつつ、ポチから降り、剣を構えます。
カキン!
章君はポチに向かって何かを投げてきたので剣で弾きます。
うわ、ショートソードを投げてきたよ!しかも結構な業物だよ?
あ、バイエンス氏が気づいたようです。
奥様方を止めにかかっていますが・・・・皇女様が見えないですがどうしたのかな?
・・・・
・・・
・・
・
奥様方を止めて、そのまま章君を羽交い絞めにしてくれたバイエンス氏。
グッジョブです。
今オイヴィはポチを見て気絶してしまった皇女様を介抱しています。
雪奈と麻矢は魔法の攻撃でけがを負ったポチを修復しています。
怪我を先に回復魔法で治療したのですが、どうにも鱗は回復魔法では治療できず、こうして修復しているんです。
まあ怪我だけで済んでよかったよね。
「いい加減に放しやがれ!」
章君はご立腹の様子。
「章君久しぶりですね。」
僕は爽やかに挨拶をしたつもりなのですが・・・・
「何だてめえ!俺様の名前を気安く呼ぶんじゃねえ!」
・・・・どうしたのでしょうか?
「ほらほら落ち着いて?」
「てめえもうっとおしいんだよ!放せよバイキング!」
・・・・バイエンス氏ですよ?
相変わらず人の名を覚えるのが無理なようです。
流石にバイエンス氏の名前ぐらいは覚えようよ、と思うのですが10年以上この調子だとか。
流石にバイエンス氏もいくら何でも物覚えが悪すぎる章君に疑問を持ったようで、自身の妻達に命じ調べたようです。
すると・・・・どうやら章君には致命的な障害が見つかったようで、恐らく召喚時、あるいはその後何か問題があり、頭のどこかをぶつけたか何かをして記憶に支障をきたしているらしい、との結論を得た感じで。
そして少し前に気が付いた皇女様。
「私のせいなのです。私が安易に召喚の儀を行わなければ・・・・」
そこにバイエンス氏が割って入ります。
「しかし皇女様、もうすでにお亡くなりになっているので確かめようもないのですが、召喚時に皇女様の姉君が妨害をしたのではありませんか。よりにもよって召喚に無理やり干渉し、その結果二人の章殿を召喚してしまうという前代未聞の出来事。その影響でしょうなあ・・・・」
2人の章君が存在した?確か以前そんな事をバイエンス氏が言っていたっけ。
残念ながらもう1人は召喚後すぐに魔物にやられ死んだとか。
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