第519話 確信をもって

この後子爵と話をしましたが、やはり森信君はすでに魔王に身体を乗っ取られたとみて間違いない様子で、あのおばちゃんも恐らくは魔王の側近に身体を乗っ取られている感じです。


何故あの面々なのかな?


まあ魔王には魔王なりの、側近には側近なりの考えがあるのでしょうから、その考えに沿っての選択なのでしょう・・・・


森信君の場合は別として、あのおばちゃんはいつから目を付けられ、何時から影響があって、何時から乗っ取られたのでしょうか?


もしかして相当早い時期から?


あまり考えたくないですが、召喚の後割と早い時期?


女性のまとめ役のうちの一人だったはずなのに、色んなものを盗んだり・・・・しかも取り巻きにさせるとかしたようだけど、そもそももうその時点で影響があったり、乗っ取られていた可能性があるんだな。


そう思うとやはり怖い存在。


ある程度話が終わった時、魔道具から何か知らせが。


友郁から連絡が入っています。


【順平さん、急いでこっちに来て!】


僕は外に飛び出します。


【何かあった?】


【あの章って人と、魔王でいいの?今2人が言い争っているの!】


【分かった!今どこ?】


【たぶん住宅街。】


【なんとなくわかる気がするから、向かうよ。気を付けて。】


【一応結界を張ったからいいと思うけれど、早く来てね!】


慌ててティルザが追いかけてきます。

アリアネはヘルトラウダの傍で護衛のまま。


僕はティルザに状況を説明、ヘルトラウダと子爵には念の為この場に待機してもらいます。

それにティルザとアリアネには引き続きヘルトラウダの護衛、余裕があれば子爵も・・・・こればかりは優先順位がね・・・・


僕は急ぎ駆けていきます。


そしてふと見上げると、確かに結界らしき何かが見えるような気がします。

あれ?今僕は結界の外なんだけど、中に入れるのかな?


そう思っていると、泉を発見。


友郁も近くに居る様子。


「順平さん!やはりあの章と言う男性、トラブルメーカーでしたわ!」


うん知ってる。


「バイエンス氏が制止をしていたのですが、それを振り切って魔王の所に単身向かい、今は口撃・・の真っ最中ですわ。」


「攻撃?」


「口撃、ですわ。」


どうやら魔王を見かけた章君が、一人飛び出しバイエンス氏の制止を振り切り、魔王に単身立ち向かったのだとか。


しかもあの章君の調子で一気にまくし立て、訳の分からない事を口走りながら森信君の姿の魔王あいてに一方的にしゃべりまくっているらしいです。


どうやらオイヴィが章君を見かけたらしく、もう既に時遅し、魔王と対峙している章君を確認、危険を察知し先ずはバイエンス氏の安全を確保してくれたのだとか。


今バイエンス氏は結界の外ギリギリで皇女様ご意向と一緒にいるのだとか。


・・・・どうしたら?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る