第484話 獣人の炊き出し部隊
一応この場には簡易テントのような、気休めですが休めるような場所を設けましたし、こういう時に困るのがトイレ。
特に女性はその辺で、という訳にもいかないので、仮設トイレっぽいのを作りました。
そうは言っても衝立で間仕切りをし、トイレと言っても地面に穴を掘り、ただそのままだと穴に落下してしまう可能性があるので、洋式の便器を複製して置いています。
そしてその処理はこの世界での定番、スライムです。
難民は女性と子供が多いので、トイレも大変なようです。
子供と言っても幼子。
日本で言うなら小学生未満の子供、つまり6歳ぐらいまでと思われる子供が大半です。
そしてまだ乳児も沢山います。
授乳も気が付けばその辺でしているお母さん方がいて、こちらが困惑してしまいます。
本当は人に見られないでしたいようですが、ここには隠れてできる場所がありません。
トイレと同じく、授乳できるように衝立を設けました。
今できるのはこれぐらい?
事前に知っていれば全く違う対応ができたのですが、こればかりは仕方ありません。
一応代表者には、具合の悪そうな人から優先してゲートを使うようにしています。
まあこればかりは任すしかないのですが。
そして、ゲートが4つになった事で難民の移動は順調に進み、ある程度目途が立ったのでこの場を近くにいた家臣に任せ転送先に向かいます。
・・・・
・・・
・・
・
最初のゲートを設置した時は殆ど何もない状態でしたが、この短時間に大量の建築物が建っていたので、到着して驚きました。
そして獣人による炊き出し部隊。
いつぞやのレクスが中心となって炊き出しをしている様子。
ただ、味を調えるのは料理スキル持ちの人のようで、獣人達が何をしているのかと言えば、大鍋をその体格を生かし豪快にかき混ぜています。
一体どんな大きさ?
パッと見た所大鍋だなあと思う感じなのですが、よく考えると今目の前でかき混ぜている獣人、確か皆背が高かったと記憶しています。
そして横幅も相当あり、太ってはいませんが、恐ろしいほどの力を持っていると一目見てわかるような、そんな体格です。
「お前ら!気合い入れてかき混ぜろ!!」
「「「「「おおおおお!!!!!」」」」」
よく見ると、どうやって作り、持ち運んだか分かりませんが、直径2メートルはあろうかと言う大きさの鍋です。
でかい!それなのにそう大した大きさに見えないんです。
だけど相当大きな鍋です。
それをいとも簡単にかき混ぜるその力!
そして鍋の中身を器に入れて難民に渡しているのが王都で料理をしていた女性達。
「さあ熱いうちにお食べ!」
木で作ったスプーンと共に受け取る難民の人々。
これで落ち着けばいいのですが。
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