第466話 引っ越し準備完了
柚奈と瑞華がそんな会話をしていると、雪華と麻矢がやってきます。
「順平さん、準備は終わりましたよ。」
「いつでも戻れるようにしてあるから何だか不思議な気分ですけどね。」
年下の2人はこれが素なのか、何度言ってもこの言葉使い。
もっと砕けてもいいよと言っているんだけど、これが普通らしいんです。
まあ本人がそれでいいと言っているんだから、無理に言葉使いを正せとは言いませんけど。
まあ丁寧な言葉使いをもっと楽な言葉に、と言うのも変なのですが。
そしてこの世界の侍女さんだった女性達。
僕と友郁の侍女でもあるティルザとアリアネは王都に向かっています。
ゲートで一瞬にして到着できるのですが、一応王都に報告を。
尤もアーダ達が報告するとは思うのですが。
僕も落ち着いついたら王都には向かうつもりですし。
そして泉達の侍女達は先に館へ向かっています。
館の部屋を確認しているんです。
尤も掃除は館にいるメイド達が完璧にこなしているんですけどね。
5年。
並行世界を見てしまったが故にこの家にずっといる事になってしまった妻達。
自ら望んだ事なのでそんな風に思わないでくれ、と言われるけれど、明らかに不便な生活をさせていました。
この世界、特にグビッシュ王国は僕達が持ち込み作った道具や衣類、仕組みで随分生活水準が上がっています。
電気がない、鉄道や飛行機と言った輸送手段がない事を除けば、ほぼ日本にいた時のような生活を送れるからです。
尤も電気の代わりに魔力があり、輸送手段は全く違う方法があるのですけれど。
それに魔物の事があるので同じように、と言うのは違うのですけど、もうこの世界にやってきてから10年が経った訳で、すっかり馴染んでしまった自分がいます。
「順平さん、行きましょ?」
どうやら全員館に向かって問題ないようです。
「わかった。あとは子供達だね。そんなに距離はないけれど、魔導船に乗せよう。」
僕達だけの移動手段に魔導船があります。
内元君と色々作った中に、こうした一品物があります。
自転車っぽいものや水路で運用する移動手段は領地や国で普及しつつありますが、大量の人を短距離で運ぶ手段はまだ確立していません。
魔石の安定供給がないと厳しいのですが、僕は大量の魔石を所持しています。
なのでバスではないですが、大型の乗り物を作ってみました。
この世界にも馬車みたいな動物にひかせる乗り物がありますが、せいぜい乗合馬車みたいに数人の移動手段。
今回みたいな沢山の幼子や、10人以上の人を一度に乗せてしまう乗り物は殆ど存在していません。
なので試しに作りました。
今後の普及は、内元君ともっと試作機を作り、この一品物のようなコスト度外視ではなく、コストを考えた乗り物を考えないといけません。
後は道行く他の乗り物とすれ違った時に上手くすれ違う事が出来るかとかの大きさの問題もあります。
まあ今回みたいな場合はいいんですけれどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます