第457話 未開発地域の調査、応募を開始する
僕はユハニに、獣人へこうした調査に参加してもらう、という事を説明すべく話をしようとしていた所、ユハニからこちらにやってきて会うなり一言、
「未開発地域の調査でございますが、希望者を応募いたしました。」
僕の考える事は既にお見通しですか。
「ええと、応募と言うのは?」
「大々的に家臣の登用を行ってから5年が経ち、新たな人材の登用を考えております。領地はますます発展していますし、今後の事を考えると丁度宜しいかと。」
「僕の方では獣人にその調査をやってもらおうと思っているんだけど、どうしても考えるより先に身体を動かすメンバーばかりなので、できれば頭脳派に同行してほしいんだけど。」
ユハニは何やら考えているようです。
「獣人特区、あれだけでは獣人を全て迎え入れるのは小さすぎますな。では新たな街の一つは獣人の為となる街にいたしましょう。幸い領主様の新たな妻は獣人でしたな。彼女に新たな街の代表となってもらえば万事上手くいくでしょう。」
何でそう確信しているのでしょうか?
「エレケが代表?」
「ええ、何か問題が?獣人の間では姫と言われ随分親しまれているとか。それに公爵様の妻ですし、彼女以外には考えられません。」
「まあそれに関しては、調査が終わり町を建設する段になってから改めて話をしたいかな。」
こうして調査隊を組織する事になり、メンバーが揃ったのは1ヶ月後でした。
・・・・
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総勢500名からなる調査隊。
かなり多いと感じますが、これには訳が。
武力をもって調査をするには腕に覚えのある冒険者や獣人が必須。
そして実際測量や、街を設ける事が出来るかどうかの見極めを行う頭脳派が複数同行します。
そして身の回りの世話をする女性。
えっと何で身の回りの世話をする女性?
どうやら下級貴族・その中でも所謂貧乏貴族からの熱心な要請があったそうです。
貴族の子女とはいえ、自分で何でもしないといけない女性が多いようで、位が低く、豊かではない地域出身貴族の娘はたいてい家事全般を自分でしないと駄目なようで、場合によっては自ら畑で農作業までするようです。
そして嫁の貰い手が・・・・
今回の調査で出会いを求めているようですが、これに関しては男性陣からもやはり妻を獲得する機会があれば!と歓迎の様子。
ええと調査だけど?
「調査が終わり、街を建設する段になれば、調査隊はそのまま街を建設する陣頭指揮にあたる事になります。そして職人の手配、住居の手配、食料の確保等為さねばならぬ事は多岐にわたり、特に細かい配慮は女性が得意とする所ですし、お互い色々な意味で励みになるのですよ。」
そりゃあ嫁さんゲットできる!となれば張り切るよね?
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