第441話 エレケ
「エレケ。」
え?僕が不思議そうな顔をすると姫さんもう一度
「エレケ。俺の名だ!いつまでも姫さんって他人行儀じゃねえか!」
「ああ、そう言えば名前聞いてなかったっけ。エレケって言うんだね?」
「獣人には苗字ってねからさ!まあ有名になれば二つ名がつく事もあるけどさ!」
二つ名って・・・・
「俺の場合は姫っていうのさ!だからそうだな、たまにエレケ姫って言われるぞ?だが別に本物のお姫さんっていう訳じゃねえ!獣人に姫なんぞいねえからよ!」
一体どういう基準なのか分かりませんが、彼女は何かしらの行いのおかげで獣人の世界では【姫】と言われ親しまれているのだとか。
「じゃあエレケ、これからよろしく!」
「ああ頼むぜ!」
「なあエレケ、盛り部屋って何かこう、もっと違う名前にできないの?」
「盛り部屋は盛り部屋だろ?他にどうするんだ?」
獣人は何かとストレートなのでしょうか?
「そうだな・・・・ラブホテルとか?」
「らぶほてる?なんだそりゃ?そもそも盛り部屋ってしとかねえと、単なる休憩所という名じゃ勘違いして色んな連中がやってくるだろ?それに発情してねえメスは盛り部屋に近づかねえ。だが発情していれば?そりゃあ一目散に盛り部屋を目指すだろう?」
だろう?って言われてもそうなの?としか。
「まあ獣人なら常識なのかもしれないけれど、僕は知らないんだ。いろいろと教えてほしい。それと、普通の人間ってこういうの常識なの?」
「あ?あんた秘書ってのいるんだろ?そいつから聞いてねえのか?」
確かに色々教えてはくれるけど。でもね、目の前に本物の獣人がいるんだよ?
「そういえばさ、獣人って結婚って概念はないんだっけ?」
「いや、あるっちゃあるけど、そんな甲斐性のあるオスはなかなかいねえな!」
オスとかメスとかって・・・・
「じゃあ僕と結婚するのはエレケ的には問題ないの?」
「うひょ?あんた本気で獣人と結婚する気か?別に愛人でも良いんだぜ?」
「いやそこはきっちり責任をだな。それと・・・・」
あ、なんだか意識したらその尻尾と耳が気になって。しかもこの姫さんもといエレケの尻尾の触り心地って言い表せない感動があったから。
「あ?もしかして尻尾触りてえのか?あんま激しいのはやめてくれよ?腹の子に影響があるかもしれねえし。」
そう言いつつ僕の隣に座るエレケ。
そして目の前には尻尾が。
ああ、何たる触り心地。
「はううん!!!!」
何とも言えないエレケの声。
駄目だそんなの。
この後寝室に向かい、色々堪能いたしました。
本日学んだ事:獣人の尻尾と耳は狂気いや凶器
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