第440話 本当なら人間と獣人の間には子は授からないらしい
「まあその、あんなことをしたんだから、妊娠してもおかしくはないよね。だけど獣人って妊娠しやすい時期とかってその、つまり盛りの時じゃないの?つまりは発情した時と思うんだけど。」
何の盛り部屋なのかと思いつつ、疑問に思ったので聞いてみます。
「うん?お互い発情すれば確率は上がる。特に女は発情すればかなりの確率で妊娠するな。男は出せば何とかなるからどうでもいいんだ。だがあんたは何者だ?人ではないのか?」
あれ?何だか同じような事言われた気がしたけれど何かな。
「どういう事かな。発情に関しては分かったけど、どうして僕が人ではないと思うのかな?」
「俺があんたの子を孕んだからだ。発情期なら可能性がない事もないが、発情期でもない獣人のメスを人間の男が孕ますなぞ、万が一もないはずだ。獣人同士ですら発情期ではないのに盛った場合は千に一あるかないかだ。だがあんたは一晩抱いた俺を見事孕ませた!」
「ええ?じゃあ何?いくら人間が獣人と交わっても子が得られないって事?」
「そのはずだ!なのに!なのにだ!俺は見事孕んだ!しかし腹の子がどうなるか、わからん!俺は人間と獣人との間にできた子がどんな姿なのか見た事がないからわからんのだ!」
これはどうしたら?ええと妊娠してるんだよな?そうならあまり興奮させるのは駄目だと思うし、落ち着かせよう。
「まずは落ち着こう。それと、僕の子供を妊娠してくれてありがとう、でいいんだよね?」
「あ、当たり前だ!だが獣人は父親が誰かって拘らねえからな!だからあまり気負わねえでいいぞ?それよりだな、お前他の獣人に手は出してねえよな?」
「え?うん姫さん以外にはそう言った機会もなかったし、知り合いの獣人もいないから姫さん以外とはしていないよ。」
「そうか、それは残念だ。では他に紹介するから抱いてやってくれ。」
「へ?いやちょっと?何でそうなるの?」
「お前金持ってるだろ?権力もある。なら子だくさんになっても子供を元気に育てられるじゃねか!獣人は皆貧乏なんだよ!せめて子供にはそんな苦労をさせたくねえ!」
「まあ善処するよ。それより体調は大丈夫なのかい?」
「ああ問題ない。獣人は産む直前まで活動するからな!」
いやそれはどうかと思うんだけど。
「でも今回は姫さんは様子を見て大人しくした方がいい。館に住んだりは嫌かい?」
「え?あのでけえ建てもんに俺ら住んでもいいのか?」
「ああいいよ。僕の子を妊娠してるって言えば、有無を言わさず住む事になるからさ。」
ああどうしてこうなった?え?3か月前にあんたが種まいたんだろって?まあそうなんだけどさ。
この後かなりの獣人の女性が僕の所に押し寄せて来る事になるんだけど、この時は甘く考えてたっけ。
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