第394話 オイヴィと王都へ

そう言えばそろそろフェンリルが到着するころだけど、少し待ってもらわないといけないかな。


【すまないがちょっと王都へ向かう事になった。しばらく待ってくれないか?】


【何!もうすぐ着くのだが。】


【すまないね。まあ今から向かう用事も関連があるんだ。】


【仕方ない。しばらく狩りでもして待っておる。】


ごめんねフェンリル。


「どうされましたかな?」


ユハニが心配そうな表情で僕を見ている。あれ?ユハニの前でフェンリルとの交信でいいのかな?従魔とのやり取りってした事なかったっけ?


「従魔と交信してたんだ。」


「左様でございましたか。これは失礼を。」


「まあいいさ。それよりどうしたらいい?今から向かおうか?」


「少々お待ち下さい。魔道具を用い、連絡をいたします。」


そう言ってユハニは一度退席をし、王都へ連絡をしに向かったようです。


僕はオイヴィに聞いてみます。


「オイヴィ、今回の訪問者、誰か知っているの?」


「知っているも何も、一人は我の隊の分隊長、もう一人は隊長だ。」


ええと、隊長は何となくわかるけど、分隊長って何?


オイヴィは僕が不思議そうにしているので、説明をしてくれます。


「神聖騎士は500名からなる団だった。その団は100名で一つの隊を作っていてな。その100名も、4つに分かれていた。この2人は分隊長、つまり25名を指揮していた人物と、もう一人はその上の階級、100名を纏めていた人物だ。」


「じゃあなかなかの実力者だったのかな?でも神聖騎士の中心人物は死んだんだよね?」


「ああ、魔王に真っ先に狙われた。一方的だった。神聖騎士随一の使い手でもあったのだがな。いまだに信じられぬ。」


「一応確認したいんだけど、その2人はオイヴィより強いのかな?」


「何に強いかにもよるが、一人はほぼ互角だな。隊長には一度も勝てたためしがない。」


うわ、オイヴィが一度も勝てない相手って・・・・


「じゃあその分隊長だっけ。その人とオイヴィは何が違ったのかい?」


「純粋な剣術だけならほぼ互角だったのだがな、魔術において我は及ばなかったのだ。」


神聖騎士は防御や回復といった補助魔法を得意とする集団だったっけ。

オイヴィは解呪や、回復魔法の使い手。


それ以外にも味方の能力を一時的に上げる事ができるらしい。

使った所を見た事ないけれど。

唯一解呪は使ってもらった事があるから知っているけれど。


そして魔王が最も恐れた集団だったよう。

尤も、魔王が一番警戒していたのは勇者。



そんな事を思っていると、ユハニが戻ります。


「ゲートで今すぐに来てほしいとの事でございます。」


「わかった。オイヴィ、いいかい?」


「ああ構わぬ。」


こうして僕とオイヴィはゲートで王都へ向かう運びとなった。




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