第330話 ユハニさんが思っている基準、僕には理解できない

ユハニさんは貴族との面談も既にかなり済ませているはずだけど、侍女さんの子息は誰も来てなかったのかな?


「あ、念の為にお伺いしますが、僕の所にいる侍女さん、彼女達の実家ですが、すべて貴族ですよね?侍女さんの兄弟は今まで私の領地に来てなかったのでしょうか?」

「ああ、その事ですか。私共もそう言った繋がりはありますので、常に把握いたしておりますが、まず件のユハニ殿から通達が来ておりましてな。必要なら要請及び、連絡をするのでそれまで常山領には来ないようにと。そしていつでも来られるよう準備はするようにと。」



ユハニさん、その基準僕には理解できません。。

既に他の貴族の息子はやってきているし、ユハニさんも貴族のはず。

そう思っていたのですが、後ろに控えていたユハニさんはしれっと

「その間に調査いたしておりました。」

え?調査って?

「こういう事は想定済みでしたので、侍女殿の実家の全ての人材はどのような人物なのか、数か月かけて調べたところでございます。」

「え?じゃあ誰がどのような能力があるとかも知っている?」

「無論でございます。そして常山領は次の段階に進むべきと考え、こうして新たな人材を求めるべきと考え、解禁したのでございます。こうすればこちらにとって必要な人材は揃えやすいですし、他の貴族からしても息子を、あるいは娘を送りやすいでしょうし。」

ずいぶん僕の領地に都合のいい話に聞こえるけれど、どうなのかな?

「常山公爵様、こうした新たな領地はそうそうないのですよ。いかに貴族とはいえ、新たな活躍の場はそうそう御座いません。ご自身に都合の良いとか、気になさらぬほうがよろしいでしょう。無論、古い家柄の貴族の中には、成り上がり者、貴族の何たるを知らぬ愚か者という所もございましょう。まあ私から言わせれば、言わせておけばよろしいのですよ。」


この考えも理解しがたいです。。

「それに現在、多くの王族がお亡くなりになり、国の勢力も大きく変わりました。この機に自身の領地を発展させる事ができるか、衰退してしまうかは・・・・今までと違い、大いなる変化点に差し掛かっております。そして、私どもは全員、常山公爵様を支持する事といたしました。」


え?なんか派閥があるの?

これは、アーダやザーラにも影響ある?

ちょっと王都に行って、確認する必要がある?

だけどこの領地、まだまだこれからなんだよね。

まあだからこそ新たな人材が必要なんだろうけど。


それに、貴族ではない普通の人というべき?庶民?こちらは今もどんどん人がやってきていますし、随時色んな所に採用しているようですし、そうした人を纏める人材も、今後もっと必要でしょうし。

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