第301話 立派な館と、隔離された住居
領主としての館は、アーダやザーラに・・・・ザーラは今子育て真っ最中だから無理・・・・アーダが嬉々として館の建築に関して話を進めています。
まあ、アーダに任せておけばいいかな?どうやらヘルトラウダを連れだってあーだこーだとやっている様子。
そして僕は怒られるかもだけど、本命の住居、これの改修というか、周りが騒がしくなりそうなので、完全隔離の上に静寂を保てるように、住居の周りに色々なスキルを駆使して静かな環境を整えました。
何故なら、妻達は落ち着いた環境を好んだからです。
ただでさえ女性が多い住環境、子供を得てからは子供の声が年中響き渡りとってもにぎやか。
せめて住居だけでも落ち着いたものにしようと思ったわけです。
しかも今回は周りが街です。
並行世界では周りは森が延々と広がるのみだったので、大きな違いです。
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街は陸続とやってくる人であふれかえり、今の街から少し離れた場所に新たな街を設けましたが、こちらも瞬く間に人であふれかえります。
何で?
どうしてこんなに人がやってくるの?
今まで住んでいた場所での暮らしは?
「その事ですが、王都もそうですが、他の街も職にあふれた人が沢山いるのですよ。職人の徒弟制度はご存じでしょうか?」
ある日僕はヘルトラウダを捕まえ、尋ねました。すると先ほどのような事を問われてしまいました。
徒弟制度?
例えば鍛冶職人は、自身の鍛冶職人としての技を後世に残すのに、見込みのありそうな子供を住まわせ育てつつ、鍛冶を覚えさせるそうな。
ただ、結局は自身の子に継がせる事が多く、才能あふれる弟子は居場所がなくなり、折角の鍛冶の腕も振るう機会がないのだとか。
そこで新たな領地、新たな街の話が弟子たちの間に知れ渡り、可能性があるならと一旗揚げにやって来ているらしいです。
また農家の人達は、土地を長男に相続させるので、次男坊以下は使用人となって働く以外に道はなく、絶望していた時に新たな領地の話を聞き、そこでは無尽蔵の土地があり、開墾した分が自身の土地となって農業を営むことができると聞き、可能性にかけて家を飛び出してくるらしく、そうした次男坊以下の人々もどんどんやってきているようで、それが連日続くわけです。
そして一番困るのが、貴族。
貴族も何故か沢山やってきています。
正確には貴族の跡継ぎではない、次男坊以下の男性及び、娘さん。
あ、既に娘さんは何人かは僕のお嫁さんだからね?
そう、侍女さんは貴族の娘さん。
そして最近は実家から侍女さんの兄、弟を何とか僕の所に送り込みたいと手紙を送ってきているらしく、困り顔で相談をしにきたり。
優秀な人物ならいいのだけどね、どうした者かと思案していると、
「え?貴族でしょうか?それはいいですね!」
ユハニさんに聞いてみるとそんな事を。
「彼らは教育を受けていますので、余程酷い人物以外は使えますよ?」
え?使えるの。
「嫁さんの実家からのお願いを無碍にもできないとか思ってたんだけど、使えるの?」
思わず聞いてしまいます。
「ええ。面談、試験、その他色々で見極める必要はありますが、家臣に加えるのも手かと。無論優秀な人物以外は駄目ですが。」
侍女さんの兄弟か・・・・でも、中にはどうしようもないのもいるだろうし、優秀な人物もいそう。
【そんな中あの侍女の兄弟は採用されたのに、なぜ我々の方は駄目なのだ!】
とか言われそうでこれはこれで厄介な問題?
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