第235話 城へ戻る

一時的な記憶の混乱?

順平の様子が少しおかしい事に気が付いた泉が、友郁に話しかける。

「才村さん、順平さんの様子が少しおかしいです。」

「え?森江さんどういう事?」


その言葉に皆順平を見ます。


そして今、順平から一番近いのは、アーダだったのだが。


「アーダさん、いつもに増して・いや何か変ですね、興奮してますか?何だか顔が赤いですよ?」

順平は皆が見ているのもお構いなしに、アーダさんの手を取り引き寄せます。

「そ・・・・そうか?」

「ええ。普段の冷静なアーダさんも悪くないが、上気した肌がまたたまらないですね!」

「え?今それを言うのか?ってむうう?」

皆あっけにとらわれている間に、アーダの腰を抱き、キスをしている。

目を見開くアーダ。そしてアーダもまた抱き返す。


急いで友郁が間に入り、

「順平さんしっかり!」

「ああ友郁。せっかくの綺麗な髪の毛が台無しじゃないか。こっちへおいで?」

アーダを抱きしめたまま、友郁をも抱き寄せます。

「ええと?今はそれどころではないですよ?」

「そうなの?何だかこう気持ちが高ぶってるんだ。」

そう言いつつ友郁の身体を弄り始める順平。

「あ・・・・こんな・・・・皆が見てるところでは・・・・」

泉達はこの順平の異変に違和感を感じ、無理やり3人を引きはがします。

「どうしたんですか?」

「順平さん、今あなたは何か様子がおかしいです。申し訳ないですが、もう暫く眠っていて下さい。」

泉はそう言って、何か口に含めたかと思うと、順平の口に自らの口の中の何かを押し込みます。


「ん?」


暫くしてまた倒れる順平。

「こんな事はしたくありませんでしたが、明らかに様子がおかしかったので、一度城で様子を見ましょう。従魔さん、順平さんを運んでくださるかしら??」

【我の背に乗せるがよい・・・・誰かが支えればよかろうて。】


・・・・

・・・

・・


あれから一週間、最初は女性を見ると見境なく?抱きしめていた順平だが、友郁や泉もそうだが、こっそり古手や矢坂橋も誰もいない時を?見計らい、抱いてもらっていた。

無論順平を世話をしている侍女に頼んでだが。


伊知地・吉安の女子高生コンビをも抱いた順平だが・・・・

「ねえ良かったのかな?まだ何だか本調子じゃないよね彼って?」

「そうは言っても素面じゃ抱いてくれないからいいのよ?」


結局召喚組6人を抱いてしまった順平だが・・・・

ここにきてようやく順平は元に戻った・・・・

身体の中に欲求をためたまま進化したせいで、情緒が不安定になっていたのだが、タップリ吐き出したので・・・・ようやく落ち着きを取り戻した順平。


《あああ!なんて事をしてしまったんだ!!これでは言い訳できないじゃないか!追い出したリーマンと同じ事をしてしまってるじゃないか!》

激しく後悔をしている順平。だが、事態は順平が思ってもいない方向に進んでいた。


国王に呼び出され、謁見をしようとすると、友郁をはじめ召喚組の6人とアーダ、ザーラ、そして僕が関わった侍女が待っていた。


「ええと、どうしましたか?」


「其方には感謝の言葉もない。よって常山公爵の妻達・・・・・・・に希望を聞いてな、辺境になるが、そこで新たな領地を褒賞として受け取ってもらったのでな、領主として頑張ってほしいのだよ。ちなみに場所は其方の従魔の住んでおった場所とその周辺だよ。」



うん?今さらっととんでもない事を言っているような気がしましたが、色々ありすぎて混乱します。

「えっとその、褒賞なんていりませんが。」

「いやもう既に其方の妻達が受け取っておる。まあしっかり励んでくれたまえ!」


うん?意味が分かりませんが何の事でしょう?


こうして常山公爵とその妻達は、新たな領地へと旅立つのだった。

《え?なにそれ?公爵?え?誰が?僕が?いつの間に?みんなを抱いている頃だって?え?そこに僕の意思は?》

気が付けば公爵の身分と、沢山の妻を娶っていた順平だった。


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