第16話 情けは人の為ならず

 プレゼントは、もらった人よりもあげた人のほうがうれしいものだ、とは母の談。


 前回のエッセイで、サプライズ結婚式をプレゼントする企画に参加して、改めて、母のことばに納得しています。人に喜んでもらうことがうれしいという気持ちは、ヒトの本能的な感情の一つなのかなと思います。


 プレゼントをあげてうれしい場合、喜んでくれる側もいい仕事してるんですよね。その点では、プレゼントを喜んで受け取ってくださったあいるさん、100点満点でした。プレゼントって受け取るほうも労力がいるし、喜び方にもアートがある……というと大げさかもしれませんが、人柄が出ると思います。もらって困るようなビミョーなプレゼントもありますしね……。


 そんなことを言っておいてなんですが、私はプレゼントを用意するのが苦手です。義務的にやっつけで買うことのほうが多いです。好みがうるさい夫の誕生日プレゼントは、いつも「何がほしい?」と聞いてから買います。たまにはサプライズで喜ばせたいですが、そのへんのセンスがないので困っております。


 プレゼントのセンスがいい人っているじゃないですか。義母がそうなんですけど、コツを聞いたことがあります。義母いわく「プレゼントを用意しないといけないときにあわてて探しても見つからないから、ショッピングなんかをしてて『あ、これは◯◯が好きそう』と思うものを見つけたら、買っておく。」ということでした。


 つまり、いつも頭の中に「何かプレゼントしてあげたい人」がいるんでしょうね。そういう生活っていいなと思います。


 プレゼントみたいに形のあるものでなくても、「人が喜んであげることをする。」というのは、自分の幸福度に貢献しそうです。あ、ここで大事なのは、見返りを求めないことでしょうか。「私がこれだけしてあげてるのに、何も返してもらってない。」と思い始めたら一気に幸福度が下がりそうですね。


 それを考えると、サプライズって、むしろ計画してる側が楽しいイベントなので、いいなと思います。ハズレたら痛いですが。


 センスがない私にはサプライズは敷居が高いので、何か返してもらわなくても気にならないくらいの、やった側から忘れてしまうようなプチ善行をちょこちょこやっていこうかなと思いました。そうしたらご機嫌でいられる時間が増えそうです。


 今急に思いつきましたが、一日一善(プチ)やって、プチ善行を毎日記録してったら、なんかいいことありそうな気がしてきました。(←これ、ぜったい三日坊主で終わるやつだ。)


 

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