第22話 九月 二十六日


鷲になる訓練はカラスになった時のと大して変わらなかった。

ただ今度は鷹を見張るだけの事で、バレたくない人達が一握り増えただけだった。

俺の訓練を任された人はすごく愛想のない人で、先輩がいきなり恋しくなった。

しかし、夜遅くまで変装メイクの仕方を教わり、親に「遅くなる」とメールを送った。それで聞いてみた。

「鷲の次は何なんですかね」

「さあ」

「一番上ってのはあるのかな?」

「知らん」

会話はそれで終わった。無言でメイクのやり直しをさせられて、失敗なくできるようになるまで帰してくれなかった。もう夜の八時。サッカー部のキャプテンでもこれほど遅くはいない。

帰ろうとするといきなり話しかけられた。

「コンドル、ってのは聞いたことはあるがな」

俺は返事せずに暗い夜道へと出発した。



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