第20話 九月 二十五日
先輩のカラスがさぼるようになった。
一見さぼっているとは分からない、よく見ていないと気付かないさぼり方だ。
さぼるのが上手だ。
真剣に配りを見張っているようで、実はぼーっとしている。
先輩には小さな双眼鏡がある。
たまにそれを通して配りをよーく確認するが、実は目を閉じている。
俺は先輩に×をつける事に躊躇した。
先輩に悪い事はしたくないし、さぼり方がうまいから俺にバレている事がバレなければいいんだ。
だけどフクロウの事を思い出した。
そのさらに上を想像してみた。
×。
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