第66話 覚醒
城に入って来た人影は三人。
ヤムを先頭にバアルそしてアナトだ。
アルル「ゼイゼイ。。バ、バアル様。。何故ここが?。。」
ヤム「私がお呼びしたのです。」
アルル「。。。うぐぐぐぐ。。」
ヤム「全く愚かな企てをしたものです。」
バアル「。。。一応、回復する前に拘束させてもらう。」
議員達は声も出なかった。
バアルは剛本を含む全員の手足を自らのオレンジ色のティアマトのオーラから作り出したリングで拘束した。
バアル「他守ショウ君、先ずは議員達の回復をお願いしていいかい?」
ショウ「?イ特の彼が一番苦しんでるんですけど。。いいんですか?」
バアル「彼は、もう少しこのままでいる必要がある。」
ショウ「どうしてですか?」
バアル「彼は死を覚悟してこの試練に望んだ。」
バアル「君にも覚えがあると思うがティアマトのチカラに目覚めるにはそれ相応のレベルの者が自ら死線を超える必要がある。」
ショウ「え?争いを止めに来たのにそれは手伝うんですか?」
バアル「剛本君の行動と君の存在のおかげてヤムとの交渉は条件付きで成立したんだよ。」
バアル「さ、話は後だ。早く回復を。」
ショウ「分かりました。」
ショウはそう言うと魔法詠唱のポーズに入る。
足元に緑色の魔法陣が現れてゴオオオオっという効果音がなる。
ショウ「キュア3!」
そう唱えるとアルルは光に包まれてあっという間に移譲のダメージから回復した。
アルル「おおおお!なんだこれは?こ、これは凄い!」
アルル「ありがとう。他の四人も早く回復してやってくれ。」
ショウ「分かりました。ミネルバ、手伝ってくれ。」
ミネルバ「よろしくてよ。」
そう言うとショウとミネルバは他の四人も同じ様に一人ずつ回復して回った。
エリドゥ「こ、これは。。!」
ウル「た、助かった。。」
ラガシュ「。。。」
ウンマ「ぬう。。。ワンだふる」
ウンマの言葉にピクッと反応するミネルバ。
そして尚ものたうち回る剛本を見てショウはバアルに
ショウ「ちょっとあれ見てられないんですけど。。」
バアル「。。。」
ヤム「仕方ありませんね。」
そう言うとヤムはアナトと同じ赤いオーラを放ち突然剛本の胸元をその拳で貫いた。
ショウ「!!!な、何やってんすか!!」
バアル「他守君、落ち着きたまえ。大丈夫だ。」
剛本は薄れゆく意識の中で自分の胸が貫かれるのを見ていた。
細胞ひとつひとつが悲鳴を上げている。
神経細胞も全てがはち切れんばかりに反応している。
剛本:殺してくれ!死んだ方がマシだ!
剛本:殺してくれ!死んだ方がマシだ!
剛本:殺してくれ!死んだ方がマシだ!
泣き叫ぶ様にそう何回も心の中で叫んだ。
しかし、ほんの一瞬エアバニーの「小町がナノマシーンウイルスに感染した。」と言う言葉を思い出した。
その瞬間、剛本の飛びかかった意識が戻った。
バアル「来た。」
剛本の体から赤いオーラが輝き始める。。
剛本は天に向かって何を叫ぶと同時に衝撃波を発した。
呼応する様にバアル、アナト、ヤムそしてショウもそれぞれのオーラを発動する。
そして剛本のオーラを包み込んだ。
ヤム「産声ですね。」
バアル「他守君、もう大丈夫だ。彼を回復してやってくれ。」
ショウは頷くと魔法詠唱のポーズをとり、キュア3を剛本にかけた。
すると見る見る剛本の苦痛に歪んだ顔が安らいでその場で倒れ込んだ。
剛本「ハアハアハア。。。」
剛本「拘束されている?」
そこでようやくバアルやヤムがいる事に気が付くと
剛本「な、何だこれは!?」
剛本は慌ててもがくがバアルのかけた拘束は覚醒した剛本のチカラを以(もっ)てしても外れない。
ヤム「初めましてイ特の適合者。私がヤムだ。」
剛本「何!?それじゃあ。。」
ヤム「君の計画は半分失敗したと言う事です。」
剛本「半分?」
剛本「どう言う事だ?」
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