第2章 :魔境の森の異変!

最強の護衛!

盗賊の襲撃から1ヶ月が経ちました。

村は落ち着きを取り戻し、シオン達の日常が戻ってきました。いつもの様に、森へ薬草類を採取しに行った時でした。


「………ねぇ?これってヤバくない?」


シオンはゴブリン達に包囲されていた。


「ん~~?大丈夫でしょう?」

「ああ、大丈夫だろう?」


ミリアとクロウが呑気に言うが、シオンは内心びくびくでした。


「あなた達は、どうしてそんなに平気そうなのよ!?ゴブリンに囲まれているんだよ!?」


ゴブリンはじわじわと、包囲を縮めて来ている。それでもミリアとクロウは慌てず、動じずに、のほほんとしていた。


「はぁー、やれやれ。そろそろ片付けますか!」

「そうねー、シオンの慌てる顔が可愛かったけど、そろそろ掃除しましょうね♪」

「クロウは剣が使えるからわかるけど、ミリアはなんでそんなに呑気なのよ!」

「えー!だって、ゴブリンぐらい簡単でしょう?」


ミリアは話しながらスカートから投げナイフを取り出すとゴブリン目掛けて投げた。


「ギャッ!」

「グギャ!!!」


ミリアの投げたナイフはゴブリンの眉間に命中し、絶命させた。そして残ったゴブリンを大型ナイフを2つ両手で持ち、斬り付けていく!


「はっ?」


シオンが呆気に取られていると、クロウも剣を振り残りのゴブリンをあっという間に殲滅した。


「あれ?あれれ???」


余りにもあっさり危機を脱出したことに、逆に戸惑うシオンだった。


「シオン!ゴブリンの耳を切り取るのを手伝って!討伐の証拠になるから冒険者ギルドで報酬が貰えるわよ」

「うん!わかったー!って、ちっがーーーーーーーう!!!」


シオンがキレた!


「もう!突然、大声なんて出したらダメでしょう!」

「そうじゃないでしょう!?ミリアがどうして、そんなに強いのよ!おかしいでしょう!?」

「あらあら?嫉妬かしら?シオンは可愛いわねー」


どこか、ズレているミリアにシオンは頭が痛くなった。するとクロウが問題発言をしてきた。


「シオン、ミリアは俺より強いぞ?」


!?


マジですか!?


「どうして強いのよ!」

「ん~~?武器屋の娘だから?」


『『なんでだよ!』』


珍しく、シオンとクロウが同時に思った。


「投げナイフなんて普通でしょう?魔境の森の入口なんだから。今回の様な魔物に襲われる事なんて日常茶飯事でしょう?まったくもう!」

「そうだよな。武器も持たずに来るバカはいないだろう?」


えっ!?えっ!?えっ!?


私は何も持ってないよ!?この2年間、ゴブリンなんて出会ってないし!バカじゃないからね!?あっ!固い木の実を剥くのに、果物ナイフ持ってた!バカじゃなかったよ!?


「あ、あははっ!そうだよねー?」


じとーーー!


視線が痛いデス!!!


「まぁ、シオンだしね♪」

「まぁ、シオンだからな!」


二人は口を揃えて言った。なんだよー!

シオンはぶーっとふてくされた。


コソッ


「ミリア、わかってるな?」

「クロウこそ。でも、私は好きでやってるからね?」


実は、ミリアとクロウはシオンの父親であるカインが、護衛の為にシオンに付けた付き人であった。シオンの能力に気付いたカインが、歳の近い者で探した所、ミリアとクロウが選ばれたのだ。

しかし、ミリアとクロウは自分の意志でシオンの護衛を買って出て、シオンと一緒にいる状態だ。


ミリアとクロウは定期的に、森の入口付近の魔物を間引きして、シオンの採取している時に襲われないようにしていた。


「しかし、こんな所にまでゴブリンが来るなんてな………」

「そうね。今まで無かったことね。嫌な予感がするわ」


魔物の襲来を心配している二人に、シオンは自分はバカじゃないと繰り返し呟いていた。


おーい!戻ってきなさーい!ミリアの声に我に返ったシオンはゴブリンの耳を取って、村へと早目に帰るのだった。



村に帰ったシオン達は、冒険者ギルドのカリンさんに森の入口付近にゴブリンが出た事を伝えた。


「何ですって!?」


カリンさんは驚いた様に立ち上がると、すぐにクエストボードに【魔境の森の異変調査】の依頼をギルドから発行した。


「さっき、別の冒険者からも森の浅い所で本来いない魔物が現れたと報告があったのよ。もしかしたら、ちょっとまずい事態になってるかも知れないわ!」


カリンさんが忙しく指示を出していった。こういった行動はギルドの受付嬢っぽいと見えなくもない。


『だから!私はベテラン受付嬢です!』

キッと眼鏡の奥から睨むカリンだった。

(なんで心の声を聞けるんだよ!?)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【後書き】

愚者の声

「取り敢えず、村に残る方で話を進めます!」

シオン

「せっかく王都に行ける予定だったのに!」


愚者の声

「えーーー!!!」

シオン

「さぁ!スケジュールを変更した賠償金を出しなさい!」


愚者の声

「お前はどこぞのアイドルか!?」


シオン

「いいえ、神ですわ!!!」


愚者の声

「何だってーーーー!!!」

Σ(´□`ノ)ノ



こそこそっ

『ミリアのイラストを作って個人的に1番のお気に入りになりました。ってか、ミリアがヒロインっぽくなってしまった………どうしよう』

なろう、アルファのどちらかで確認できます。

旧タイトル『聖歌大戦』で投稿してあります。



『よろしければ感想、お気に入り、よろしくお願いします!』

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