覚え書き②
目印があれば、転移できると簡単に言ってくる輩がいる。そういうのには、朗らかにやり返している。
「朗らかってどういった物だったカシラ。」
シュルトの独り言とともにお茶を出してくれた。これくらい熱いのが良いよね。転移魔法の便利さは中毒性がある。
「すぐに、使いたいって言うかな?」
楽を覚えれば、そう言い出す。
子供ならそうかな?まあ、大人でもそうだから。
面倒うな輩と接点をなくして、過ごしていた。
その中でも、グスタフの研究は興味深いし本人も僕にとっては好ましい。研究者としても尊敬できるし、交流もしやすかった。
変な気遣いがないのは、とても心地良いものだね?
その点、ロードもそうだけど話し相手にはならない。静かで良いけどね。
僕の環境では雑音が多過ぎた。だから、脱出する機会があればすぐに動くよね?
極北の城は薬草栽培と研究、治療も受けられる。僕の専門分野ではないけど全く知らない場所でもない。今回滞在するらしいシュルトに相談すれば、だいたい揃えてくれる。
お節介なのもやりやすい相手だけど、シュルトの扱いって僕も弟枠なの?君の弟妹よりは歳上だよ?
「細いからヨ」
筋肉がつきづらい体質らしいので、諦めているんだよ。ドレスを着せにかかってくる君のところの職人には困った物だね。
良いものを作るけど、僕に勧めてくるドレスはいかがなものかと。
趣味は仕事を伸ばすって?
まあ、僕にとっても魔法、魔法陣の研究は趣味みたいなもの。転移魔法の安定、展開の簡略化を進めている。
僕が忙しくならないために。使える魔法師が少ない、回復魔法のように。
力があるのは良い事だけど、僕は求められるまま使う気なんてない。疲れるし?その使い道を選ぶには、魔導具の能力向上が必須で。
回復魔法に使い手が少ない、その理由の解明も進めたい。その中で、興味深い物をもたらした。
竜人の番を見れる機会というのは少ない。理由は、竜人が宝のように他の男に見せないのと、住処に篭るから。
狼獣人よりトラブルにならないのは、番の望みを叶えようとするのに加えて見せびらかしたい欲求もあるらしい。
獣性に狂わされると言われるほどの衝動なんて、難儀だよね?その2種族が揃う珍しい事態で、竜人の番が居る関係性。
ただ、ただ興味深い。
「狼獣人はついでに引き抜いたから、今後も楽しみだね?」
「それって、良い事なのカシラ。」
「出世だよ?」
「それ以上の胃痛案件だってーの。」
「その分、お金も入るよ?」
「ぜってえ、こき使われるっ!」
正解。そういうところが気に入ってるんだよ?
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