33-貴族の息
2日をかけず、夜に最果ての教会についた。
中から守衛らしき人達が、警戒しながら近づいて来たけど。シュルトが説明している。
フードを被ったカナンが荷物、盗賊らしき人達を下ろしている。
セリはすんなり立ち上がれた。ロードを椅子がわりにしていたおかげだ。以前は立ち上がれるのも慎重にしないと動けなかったくらいだ。
グスタフが馬車で飛ばしていたが、馬を労っている姿が見える。
最初は、ロードとカナンを怖がってたらしい馬も落ち着いている。
後でお水をあげよう。
迎え入れてもらえるようだ。
盗賊達も引き取ってもらえる。所属の国じゃないので、引き渡せた方が面倒がないのだろう。
キースが馬車から降りて来たら、一変。
偉い宗教関係者と即バレして、奥まで人が走っていった。
夜、寝ていてもおかしくない時間だけど騒がしくなっていく。
「お忍びだからね?」
それでも、大慌てだった。
教会の場所は、人族の国からも獣人の国から見ても、ふちっこ。
そこに変なメンバーだ。
(私も変なんだろうか?以前来たことがあるのを覚えられている人もいるけど。紹介は現地の子が妥当かな。)
この教会は複数の信仰対象が共有しているので、人数や担当が多い。
今慌てている人達とは接点がなかったようで、顔に覚えがない。
盗賊達を連れて行く牢屋は、地下を利用しているらしい。
その下は個室になっており外から鍵と自衛団のみはりが立っているので、問題にはならないだろう。セリには関係ないが。
今日は屋根のある場所で寝られるらしい。
共有スペースと、部屋に繋がっている3つと、一番広いところからも行ける2つの部屋がある構造だ。
「随分豪華だなあ。」
カナンがフードを被ったまま感想を言う。
「貴族様用だね。」
以前、セリが寝た団体用の部屋の場所と比べて段違いだ。
早々に寝て、話し合いは明日とキースが決めていた。
盗賊、その判断材料と見つけた場所。そんな話をするだろうけど、多分長くなるのは、キースの来た理由とか?
盗品も預け、食事や風呂はいかがでしょうか?と言葉があったが。
「お茶だけもらえる?」
とだけ、お願いして下がってもらった。
全部キース任せになっているのをもの珍しく見ているセリ。カナンが補足説明をした。
「基本交渉はシュルトだが、キースのが簡単に断れる。」
「キースは断る専門?」
そう聞くと、吹いたカナンだったが。
ロードがセリを回収。
お茶を飲んで寝ようと適当に部屋を決めた。
この後、盗賊達の犯行に貴族の息がかかっていると発覚するのはもう少し後だ。
そして主賓室らしきベッドは、セリとロードが使ったのだった。
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