4-癒されモフ

柔らかい毛皮に擦り寄る。


顔に感じるモフモフが、微睡みに寝ても良いんだよ?と誘っている。

(眠くないと言っていたが、寝たらしい。)


ひとしきり、狼を撫で毛皮を堪能したので目を開けた。


「くぅん」もう良いよね?と言いたげな瞳と合ったが、セリの手は離れなかった。足は話したけど。


「おはよーって何時だろう?」

「いつもの夕食より遅いくらいだな。」


答えたのは、ロードだった。

「結構、寝たね。」単純に驚いた。昼寝でもこれほど寝ない。


くきくきと首や肩を回しているセリの様子から、疲れがまだ残っているようだ。


「食事にしよう。」

ロードが抱っこするつもりだと察し、断って手を繋ぐくらいで妥協してもらった。


目は冴えていて、体がだるいが歩きたい気分。


そうして、狼を後ろに引き連れいつも過ごしている部屋に出た。


「ああ、おはよう?」


キースだった。


食事はここで


議長も居た。


労う形になり、食事も豪華仕様だ。


食べられるだろうか?ボリュームの問題で。

香辛料や辛味のある物が多そうだ。


お酒は飲めない。


狼が興味を持っていそうだけど

「え、ダメでしょ」


セリに言われてしょげた。

ダメじゃない理由があるんだろうか?と思うが、カナンなら飲みたいかと考えなおす。


「魔力に当てられてるんだから、止めておいタラ?」


シュルトから止められた。

「魔力酔いって、お酒も止めた方が良いの?」


「まあ、体調悪くなっている時点で飲酒は止めた方が良いケド。」

「酒に魔力を含んだものもを使ってる場合があるから、避けた方が賢明だね?」


キースが付け加えた。


「お酒に、魔力。」


繰り返セリは薬草酒を思い浮かべる。ポーションも普段影響ないくらいだが魔力が入ると聞いたことはあった。


「酒樽に木の魔物素材を使う。」

グスタフが言うのは木に擬態する、トレントだ。この辺にはいないけど素材として有名。


「作り手の魔力は、影響ないってのが定説じゃない?薬の方は、品質に関わるらしいけど?」


キースの言ってるのが馴染みある説だ。


「酒を作るのに特殊な水を使うと言うのもあるぞ。」


議長アンドレアスの参加もあり、場が和む。

飲めない組みに狼姿のカナンがいるので、寂しくはない。


スープを舐め、ハグハグと肉料理を食べ。食欲はあるようだ。



セリにはロードが少しずつ料理を食べさせる。

さくさく、コリコリと野菜から。肉の柔らかいとことろセリの好みと栄養、量まで考えられていた。


デザートもあるからネ?


シュルトのお眼鏡にも叶う、食事バランスらしくご褒美もつく。

穏やかな食事風景だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る