第四十一話 調整日

ぽんぽんっと屋根の上の散歩するセリの後をカナンが付いてきていた。

ロードが少し先行して、安全確認をしている。


日が暮れたが所々、灯りがついているため、城の中は煌々としている。

眩しい上に、城の外へ光が漏れそうだが

それをるようして、森の魔獣に向けて威嚇に使うらしい。


屋根の上に居て、気づかれるが目立つ前に去る。

いつもの医療棟付近でもテントが出されいつもと様相が違った。


組み手も魔法の練習もできそうにないので、

塔を上る。


綺麗で明るい城を眺めて「もう帰ろっか。」

早々に帰ることにした。


降りる際に、塔の中に知った後ろ姿に気づいた。

窓から声をかける


「リリン」

「あら、凄いとこから来たわね」


驚きで耳が動いたようだ

いきなり声をかけて申し訳なく思う


「調子はどう?」

「いつも通り。」


不問にしてくれるので久しぶりの挨拶を交わす。

ここ最近は会える機会がなかった。


「皆んな騒がしいわよ。特にアレンの周りはねー。父親と兄が出るから

誰を応援するか囃し立てられてね?セリを応援するって」


それを聞いて、ちょっと照れる。

「けどお、他の子が調子乗っちゃっててねえ。」

模擬戦に出ることが決まって、医療塔に訪れることもなかったので

知らない状況を聞いた。


「セリをた倒したら自分が強いって言ってた阿呆は、殴っといたわ。」


集団で奇襲をかけられるの状況を回避してくれたらしい。

「ありがとう」


握られた拳に『実際に、殴ったの?』と聞けず礼を言う。


「ゆっくりいられる話相手が欲しいわね。セリも忙しい?」

「外に出られるなら出たい」


「城の外、ね。」


魔物の危険と極寒の環境が待っていると知っていても、

行きたい場所がある。


「そう。たまに、顔を見たいわ」


行ける機会がないかもしれない。そう頭に過ぎって提案をした。

「リリン、もしだけど…。」


第二夫人と呼ばれていたあの女性となら、話が合うかも。

交流の橋渡しをしていいか迷うけど、私を待つ必要などない。

たぶん、ここにずっと居ないから。


そして、戻ってこれるとは…いや、入れる許可があるかもわからない。

その後ろの向きの心情がわかったのか


「頑張って」


その言葉だけくれた。


「私も私で、気楽にやるわ」と加えられた。


そして別れる。

また許可が降りれば慰問できるだろうか?

クロウの母親と思われる、カトレア。


その家族と戦う。


まあ、今回の戦いは力試しなんだ。

ならばそれに沿って、力を示すだけ。


「冷えてないか?」

「風呂入って、宴会だ!」


待たせていたロードとカナンと一緒に

部屋に戻ると、3人ともリラックスして過ごしていた。


しっかり食べて寝る。

明日は、戦いの日だった。


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