第27話 採取物
川の近くで休む一行。
「魔物が来たら、狩る」ロードの態度から、ここに水を求めて来ても終了のようだ。残念だが水も飲めない。
それ以前にこの戦力が居て豹もいる中、水を飲みに出てくるかは疑問だ。
気まぐれに水を得た豹の行き着き先は、木の上で休憩らしい。
模様が見事に雪と木に紛れ艶やかな肢体を休めている
他の魔物に、狙われることはないのかもしれない。
相当危険な強さを持つが、ちょっかいをかけなければ敵対してこない。
城に近いところに縄張りを作ったようだが、保護魔獣の指定にして距離を取るのがいいだろう。
昔、鳥の魔物を攻撃して、戦いになった。
城の兵をずっと守りに回さなければいけない程、攻撃を受け続けた。
魔物の習性、敵対行動をさせない事。これを教訓に研究家の言葉を指針にしている。
「距離を取ることで、互いの利益を得られる。」とし、生息域の魔物の数やレベルのバランス重視だ。
「凍ってる」
カナンが小川の上に立つ。渡れるくらいに凍っているのを確認した。
「水源は洞窟地帯ヨネ、たどっていけば氷が溶けているかも。
マア、火で溶かした法が早いわね」
慣れた手つきでお湯を沸かしているシュルトが言う
紅茶の2杯目らしい。
手持ちぶたさにキースが話の水を向ける
「セリ、どんなものが取れたの?」
セリの方法で木のウロ、木の実や芽何が取れているのかわからない。
確認してみることにした。ハンカチのように敷き、その上に
採取物を振り出した。
鞄と見た目の容量が同じくらいの魔法鞄なのに、この量だけでは勿体無い気持ちもある。この極寒の地でこれだけ取れるのは勘が良く、素早い作業が必要だ。けど知らない場所での慎重さから、この結果だった。
木の実が多い。後は羽根、排泄物?や枯れた葉っぱ。
「歯じゃなくて、爪か?」
覗き込んだカナンが言う通り、長かった爪を齧りとった魔物の爪らしい。
小さな魔物の落とし物たち。
魔石のカケラまであった。
「氷の魔石?珍しいね。」キースの言う通り珍しい色。
確かに商品として見かけないのは、使い勝手はそうないからだ。
巣にいた魔物が収拾したものなのだろう。
寒冷地でしか採取できないが、この地域では不要だ。氷はいっぱいあるからだ。
熱帯地域に持っていけば、このサイズでもかなりの値がつくのだが。
輸送の方法がない。
商人が買うかどうか?このサイズは買い叩かれる。
「お酒を冷やすコップに使えるサイズ」
「寒いのに冷たい飲み物?」熱っつい紅茶派なキースの疑問にセリは完結に利用者を言った。
「サウナの後とか、好む人がいるらしい。」
孤児院ではサウナではなくお湯をはった浴槽で入っていたので、伝え聞いた話だった。
「なるほどねー。」キースとは風呂の想像が違うと思うが、納得の返事をしてくれた。
魔石、コップに埋めても起動しない。魔道具士のスキルを持つ者が必要だ。
(まあ珍しい事じゃない。)少し習った手先の器用な者が作れそうだ。
身近な者たちで使っていると想像できた。
そういうものがスキル持ちが、いる事もあると片付けられる。
グスタフが何か思案しているの、手を覗き込む
「この木の実、気になる?」
グスタフに聞いたが答えたのは、セリだった。
「それは食べれる!」
ドヤっとした行動が、内心悶絶もののロードだった。
威厳の問題上、態度には出さないようにしたが。
他のメンバーに、バレバレだった。
「温かい物を飲んでから、移動だ。」
セリには甘いジャムをたっぷり入れた甘い紅茶で、ひと休みだった。
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