第15話 採取依頼

「欲しい素材があってね」


キース様の話では、道を進み森へ

日中に帰って来れるコースらしい。


訓練で回ったり、森の調査をしたり

天気を見ながら、外に出ている


魔物への牽制にもなる


「ここの外を回ってきてもらおうかと」


「子供を出すの?セリちゃんだけど」

散歩はいいけど森は心配なのカナンが難を示す。


魔獣の報告はないが、定期的な巡回は欠かさない。

森の危険は、この寒さだけではない。


「いるだろうね?魔獣も薬草を食べるんだもの」


採取は、魔物との取り合う場合もある。

森は弱肉強食。


わかりやすいが、子供は弱者だ。


「俺も行くんだ。セリが行きたいなら行く。」


強者が守護がつけば、問題ないか?

反対する要素がなくなった。


竜人は、『絶対的な狩人』と呼ばれ、森には慣れている種族だ。

体力、しかも氷の竜人にはおあつらえのフィールド。


「メンバーは、ここに居る6人ね?」


わたしとロード、

遠い目のカナンに、シュルトも参加か。


植物の専門家だからグスタフさん。

5人。


「僕も参加ね?」…6人目。


「護衛は?」

「シュルトとカナンでいいでしょ?」


貴族の護衛としては、なしかなあ。


「多人数のが目立って邪魔でしょ?」

「まあ、行動範囲は城から近いし、言っても聞かないものねえ。」


シュルトはしょうがないからって感じか。

護衛、商人も戦えないとここまで来ないか。


カナンは、今回キース様の護衛?

「オレに拒否権はない。」


何かあった?まあいいや。


「グスタフさんに護衛入らないの」

「1人で森にいた事もある。問題ない。」


戦える人だった。状況判断もできないと単独で森は

“死にに行ってる。”と言わしめる危険度だ。


この発言に驚かれないグスタフは、腕が立つんだろう。


「じゃ、ルートの確認と目的のものを見せるね!」

まるでピクニックに行くように浮かれた雰囲気だった。



話も尽きて来た頃…

「そろそろお昼ネ」


シュルトの言葉に、空腹を覚える。


今日は、食堂で食べようと決めていた。


時間も落ち着いている頃合いで、移動しようと資料をまとめようとしたところで


「僕も食堂で食べようかな。」

コレは決定という意味だ。覚えた。


キース様が参加すると混乱する。

食堂のざわめきと、四方八方の狼狽える姿は想像に難くない。


そうならないよう直ぐに、シュルトとカナンが手分けして

部屋を用意し、そこで食事にをすることになった。


流れでグスタフも参加だ。

「昼食は適当に何かつまむつもりだった。」

「ソレって乾燥果物齧るだけトカ?」


シュルトが引っ張って来た形だが、

しっかり量を食べるが“昼食は適当に”なりがち。

よく食べるよう促す役のシュルトにも慣れた仲だ。


なので、今回の依頼を受けるメンバーで食事会のようになった。

その様子を具に見ながら

(メンバーの関係は良好そう。)と感想を得るセリ。


関係構築されていたようで、話し合いもそれそれに意見が出た。


ロードはセリにかかりきりだが、一番体力に心配があるセリを見る役所は、バッチリ来い!大歓迎で。


他のメンバーもその方が安心らしい。

番がいれば大体オッケーなロード。


(一緒に居てくれるのはちょっと嬉しい。)

優先される機会が少なかったので、“独占できる”は優越感だ。

それを嬉しいロード相手なので、とても上手くいっている関係性だった。


コンコンッ

「失礼します」

部屋に給仕を頼んだが、声は軍属の雰囲気を強く感じる

入室の許可を上官にもらうくらいの?


訝しむセリに気づきながらも


「どうぞ?」

この部屋で一番偉い、キース様が許可を出した。





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