第22話 お守り

セリは

襲われた緊張が緩んですぐに寝れたが

睡眠は十分すぎるほどで、早く起きてしまった。


軍にいた時のクセで

朝食の用意をするかと起き出そうとしていた。


「どこ行くんだ。」

ロードと目があった。


雑魚寝に慣れているが。起き抜けに人の顔がドアップは驚く。

それを態度に出さないように「おはよう」と挨拶した。


「おはよう、セリ。腹減ったか?」


それほど減っていると感じないが、喉は乾いていた。

「何か飲みたい。」


「わかった。」と言った後

抱き上げられて、部屋を一緒に出て行った。


まだ起きた感じがしない。


「おはよう。お腹すいてるカシラ?もうちょっとかかるんだけど。」


食事の用意をしてくれていた。

部屋に届けてもらい、それを温めたり調味料を足したりしている。


(いい香り)

朝の空腹を自覚してお腹が鳴った。


「朝食にしよう」爽やかに微笑むとロードがいた。


ここに来てから3食美味しいもの、肉を食べている。

ぼんやりとした夢だった。

味わえる時まで美味しく食べると目を覚ました。


木製のプレートに置かれて、絨毯に置かれた。


ピクニックというおはなしの中の様子を思い浮かべる。

室内で、花畑もないが気持ちが浮き足だった。


勧められた。

「いただきます」

温かい物をお腹いっぱい食ねられる。

白い柔らかいなパン、温かで野菜の入ったスープは香辛料が効く。


噛み締めて食べた。

高揚感が幸せだと思った。


食後は

少しウトウトした。



セリに襲撃の衝撃はないが、無自覚に精神的な疲労があった。

命を狙われ緊張感も危機感もないわけじゃない。


慣れがあった。命の危機に緊張のしすぎも危険だと知っていた。

しかし、今回は体を預けられる相手ロードがいた。

ぐたりとしているセリの体をロードが抱きしめる。


その様子は、仲が良さそうに見えた。

まだ会ったばかりとは思えないくらいに。


トントン


来客の予定があった。シュルトが扉を開けに行く。


「アラ、やっぱアンタが来たのね。」

「まーな。入れてくれるか?」


カナンだった。


護衛役が来る事は知っていた。

「他にいねーのかよ。」ロードが文句を垂れる。


「オマエを抑えられる奴がいないの!」

実際、氷の魔法はエルフ並にあり、一般兵の獣人では力とも素早さも

足りない。


カナンの場合、素早さが秀で魔法を逸らす手段があった。

対象を護る、避難させるのに最適な人材だ。


ロードに怖気ずものを言うのも良い。



「あらあ。貧乏くじね?カナン。」

「そっちもな、シュルト。ずっと居るのか?」


「ええ。ストッパー役よ。主にセリちゃんのためにいるの。」

「へえ専属の商人付き?リッチだねえ。」


専属のお金が発生するのだろうか。支払いは私ではない。

ロードだ。

「女の子よ?竜人相手なんて苦労しかないじゃない。」


「だろうな!けど金はあるんじゃ?儲けられるな。」

「そうねえ。がっぽり搾り取ってやるわ。」


2人は一見、関わりがなさそうな職業だけど。親交がある会話だった。

(諜報と商人で情報交換かなあ。)


ロードの膝の上で考える。

「その分、狩ってくるぞ」


ロードの仕事と言えるものは、兵士が手こずる魔獣の駆除だ。


しばらく、この3人に囲まれて過ごすことになったセリだった。


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