第九話 新装備
そうして僕は、抜刀の感覚を僅かに再現しながら刀を銃弾に当てた
(目標はっ!前半分っ)
耐えていられるのは僅かな時間だ
だけど、この読みが正しければ防ぐには数秒もかからないだろう
(銃には通常、ライフルマークというものがついている)
銃弾が減速しないように砲身の中で弾丸をジャイロ回転させるそうだ
そして、弘岡の刀は「回転しながら」弾かれた
その瞬間見えた銃弾から出ていた光は「螺旋状」だった
(おかしいな、そろそろのはずなんだが)
この読みが当たってなかったっていうことか?
なら早く次の手を考えないと
そう考えた次の瞬間、ガキッと言う音と一瞬だけ強くなった青い光ともに銃弾が粉々に砕け散った
――――――――――――――――――――
(ふう、回復用ドリンクがあって命拾いした)
これがなければあの小娘に殺されていたかもな
まあ、私も小娘と言われる年齢、外見なんだけど
(さて、殺るか)
…………へー、あのガキ、私の
これはあっちで対抗するしかないかな
これなら最悪剣を破壊できなくても
ただまあ、これ使うと疲れるから出来ればあんまり使いたくないんだけどなぁ
(おお、効いてる効いてる)
体力的に撃てそうなのは精々あと五、六発くらいか?
さて、止め刺すか
まずは敵を減らすことから確実に
防御力の低い方から
(は!?弾いた?!)
何が起こっ
次の瞬間、自分の首が見えたが
ーーーそこには何もなかったーーー
――――――――――――――――――――
壊せた
良かった。あの弾はやはりただジャイロ回転を強化しただけのものだっと様だ
強烈なスピンがあるから弘岡の手から刀を弾き飛ばすに至ったのだろう
そこで僕はジャイロ回転の前半分だけ減速した
すると、後ろ半分が前半分の100倍程度の速度で回転する
こうなると、当然銃弾が回転の負荷に耐えられなくなり、自らのスピンのせいで千切れる
最初は少しのヒビかもしれないが僅かでもヒビが入ってしまえばあとは高速回転する後ろ半分が勝手にヒビを広げてくれる
そうすると今起こっているように銃弾が自壊するというわけだ
さて、止めを刺さなければ
(抜刀)
この相手は危険だ
捕虜にしてもさきほど急に回復した様に装備を使われては溜まったものではない
ここは殺しておくしかない
「ごめんなさい」
そう言いながら僕は相手の首を刀で落とした
首を落とすには骨などを避けるか骨を切るかのどちらかと言われていたが骨のような硬いものを切ったような感じはしない
素人の感覚だからかもしれないが
さて、じゃぁそろそろ終わるか
(解除)
すると、今回襲ってきたのは音だけではなかった
(なんだっ!これっ!)
腕に不意に弾力のあるものと硬いものを交互に切ったような感覚が生まれた
「どうしたの?神柱?」
「ちょっと待って」
弘岡が話しかけてくるが今はそんな暇はない
一旦落ち着こう
まず、これは何だ?これはなんの感覚だ?
硬いものと弾力のあるもの
(ああ……そうか)
僕の減速状態では状態を解いたときに結果が発生する仕組みになっている
厳密には「発生しているが追いついていない」というものだろうが
つまり、それが僕の感覚にも影響するならこの現象も簡単に説明がつく
つまり、解除した瞬間に首を切った感覚が腕に伝えられた、ということだろう
それにしても、結構来る.ものがあるな
そういえば人を切るのは初めてだったか
うん、大分落ち着いてきた
「で、弘岡、他の人は」
「とりあえず縛っといた」
よし、日常に慣れてきた
そして検証だ。何かいつもと違うことはあるか?
今日は初めて首を落とした
ん?首を落とした?
「弘岡、血って出てた?」
「私は今回は怪我はしていない」
「いや、君じゃなくて、スナイパーの人」
「…………出てなかった」
あれ?
確か人の首には太い動脈があってそこに傷が入るととんでもないない勢いで血が吹き出るという話を聞いたことがあるんだが
仕方ない
意を決して首の切り口を見るしか無いか
これは…………
「焼ききれてる、よな」
確かに焼ききれていれば血は出ないと思うが
なんで焼けてるんだ?
炎が見えないってことは直接炎で焼いたわけではないみたいだけど
「ん」
…………なんですか?弘岡さん?
そんな見たこともないようなコインを出して
「ガチャがあるから引いてきて」
「どこにあるの?」
すると弘岡は教室の端を指差した
確かにガチャはあるが
「私はさっき引いてきたからいい」
「何が出たの?」
そうすると鍵を持った左手を突き出してくる
「なんの鍵?」
「知らない」
なんか疲れたな
目で「引かないと帰らない」って語ってるし
とっとと引いて終わるか
「はいはい」
そう言って僕は教室の隅に向かった
(まあ、気晴らしにはなるかも)
青のカプセルか
レア度低そうだな
すると中から出てきたのは鍵付きの宝箱
カプセルの中にさらに箱が入ってるのかよ
「ん」
そう言って鍵を差し出してくる弘岡
(まあ、そんな簡単に鍵が見つかるわけないけど)
カチャリ
嘘……だろ……
まあ、こうなったからには……開けるしか、ないか
そして中に入っていたのは
金属でできたと見られるおたまのようなものがいくつかくっついたものに足がついた気持ち悪い生物がいた
「可愛い」
「嘘だろ……」
人の感性は千差万別とはいえ、これは…………
するとびっくり
なんとこの新しい謎の生物が急にジャンプした
するとまたビックリ
なぜか僕の右目に激痛が走りましたとさ
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