第210話 2020年三月前後?(11)
「もう知らぬ~。知らぬ~。瞬のことなど妾は知らぬ~。もう良い~。妾は~。自国領のある黄泉の国へと帰還する~。そして~。わらわのお腹にいる瞬のやや子も黄泉の国で産み~。一人で育てる~」と。
おさん狐さまは、山田瞬へと泣きながら不満を告げ漏らす、だけではなく。自国領がある黄泉の国へと里帰りをすると言い出すのだ。
「もう二度とこの日の本……。瞬の許には現れぬから……」と。
自身の主である山田瞬へと、とどめの台詞……。離婚! 離別して子と仲良く暮らす。だから山田瞬は仲間外れだと、おさん狐さまは、自分を蔑み、侮る台詞ばかりを愚痴として漏らす。幼い山田瞬へと泣きながら不満を漏らし。そして立ち上がるのだ。彼女の最大奥義である時空の扉を開ける所業をおこなう為に。
すると山田瞬は、そんな様子の、おさん狐さまを凝視すれば。
「おう、帰れ~! 帰れ~! 二度と俺の前に現れるな~! おさん~! 俺の方こそ、お前のような尻軽女などごめんだ~!」と。
おさん狐さまへと荒々しく告げる、ことはない。
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