第41話 2020年の初夢が正夢に? (10)

 その後は、『ドン~!』と、妖怪変化──。


 大妖狐おさん狐さまは、自身の持つ大きな狐の尻尾を使用──。山田瞬の喉元へと狙い巻き──。彼の首を絞め始める。


 すると山田瞬の口からは、「く、苦しい……。助けてください……」と、声が漏れてくる。


 まあ、これも? ラブコメや恋愛物語のお約束だけれど。


 う~ん、でもさぁ~?


 自身の首を絞められている山田瞬はそうはいかない。


 だから彼は、自身の持つ両手を使用──。自分の喉元に巻かれている。おさん狐さまの尻尾を外そうと抗い始める。


 う~ん、でもさぁ~。大妖狐おさん狐さまの『モフモフ』尻尾は、そう容易く外せる訳でもなく。


 また彼の口からは、「うぅ~。く、苦しい~。助けてぇえええ~」と、声が漏れてくる。


 と、なると?


 一生寄り添い尽くしても良いと決めたオスの苦痛の声には、メスは大変に弱いので。少し自分の妖力を押さえる。


 そして彼に、おさん狐さまは?


「瞬~。お主は~。除夜の鐘の音で間が覚めて、わらわに気がついていたにもかかわらず。わらわに甘え堪能しながら睡眠にまた入ったではないか~。その時のことと。その後の初夢……。あれは、夢幻ではなく現実~。お主の初夢が叶い~。我がこの令和の時代に蘇ったと言う訳だ~。だから瞬~。お主も男ならば~。ちゃんとメスのわらわに責任をとって欲しい~」と。


 おさん狐さまは、最初は荒々しく。


 でッ、話しの最後には、山田瞬へと気落ちをした声色で、男として責任をとって欲しいと嘆願をするのだ。



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