蚤のうた(アウエルバッハの酒場でのメフィストフェレスの歌)

▶▶▶03



Modest モデスト Petrovichペトローヴィチ Mussorgskyムソルグスキー(1839-1881)


 ロシアのロマン派作曲家で「ロシア五人組*の一人」。地主の子に生まれ、はじめ軍人となったが 、アレクサンドル=ボロディンを知り、国民音楽の創造に乗り出す。朗唱レチタティーヴォ* 様式を最大限に活用したリアルでドラマティックな表現に優れている。子供のころから酒を好みアルコール依存症にもなっている。


 ノミの歌は1879年に作曲され、正式名称は「アウエルバッハの酒場でのメフィストフェレスの歌」という。ライプツィッヒのアウエルバッハの酒場にファウストを連れてきた悪魔メフィストフェレスが、学生の一人が「鼠の歌」を歌ったのに対して歌うユーモラスな歌。

 ゲーテの「ファウスト」を歌詞に持つが、時折入る「ハハハ」などのメフィストの笑い声はムソルグスキーのオリジナル。





*ロシア五人組:ミリイ・バラキレフ(1837-1910)、ツェーザリ・キュイ(1835-1918)、アレクサンドル・ボロディン(1833-1887)、ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)、モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)のこと。19世紀に民族主義的音楽を創造し、ロシアの国民音楽を大成させた。ちなみに同時期に活躍したチャイコフスキーは、これらの国民主義に対し国際的な立場をとったため「西欧派」と呼ばれている。


*朗唱レチタティーヴォ:オペラなどで用いられる歌唱法。旋律の美しさを重視したアリアに対して言葉の自然な抑揚に忠実で叙述的性格を持つ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る