人とあやかしの、情緒溢れる感動の物語

ある日偶然あやかしの世界に迷い込んだトウカは、そこで様々なあやかしと出会う。
元の世界に戻りたいと願うトウカだが、世界を繋ぐ道は現れない。

短編連作のような形で進む、それぞれのあやかしにまつわる物語。
終盤でこれまでの物語がパズルのピースのように組み合わさって、佳境を迎える。

切ない物語と、温かい仲間たち。
「空気は読むものじゃなくて吸うものだよ」とのたまう一人を除いて、みんな優しい。でも本当は、その彼も優しい(はず)。

書いた方の優しさが表れたような、心温まる素晴らしい作品。
彼ら、彼女たちの物語を、ずっと読んでいたい。

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