第五章 鏡写しの影

第五章 鏡写しの影

第五章 鏡写しの影


  いつもの夢。花と月と鳥。

  いつもと同じ、そう思ったときトウカの横を子ども二人が駆け抜けていった。

  トウカのことが見えていないように、少年と少女は駆け回る。無邪気な笑みを浮かべて。

  ――本当に、向日葵みたいに笑うんだね。

  いつの間にか子どもたちは消えていて、トウカは一人になった。

  白い花に手を伸ばす。白い花、卯の花、空(うつろ)の花――。

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