第36話 結婚
嫁が出来る事になった。織田信長の娘が小さ過ぎるので姪にあたる子を養女とし嫁いでくるという。ただ傾国の美女と言われているそうな。
そういえばお市の方もいい女だったらしいし、この一族は美女揃いなのか。おっと涎が…。
信長は隔月で父上に贈り物をしてきている。今はまだ武田に勝てないからおべっかを使っているだろう。
父上はわかっていながら婚姻を承諾した。名を雪という。
雪といえば、宇宙戦艦ヤ○トの。もうどうしましょ、って感じで浮かれてます。
「殿、顔がいやらしい。穴掘って埋めてもいいですか?」
最近、お幸が厳しい。初陣で俺を危ない目に合わせたのが相当屈辱だったらしく、護衛衆の訓練がとんでもない事になっている。今度は伊勢守にも負けたくないそうだ。
ついでに俺に対しても厳しくなった。
「ご結婚なさるとの事、おめでとうございます。」
顔が怖い、ただの嫉妬か。見ていた悟郎に裏に連れてかれ怒られてた。
秘密部屋に配下を集めた。格さん、助さん、悟郎、玉さん、高さんの5名である。
「織田の養女をもらう事になった。この部屋は内緒にする。工場もだ。姫が連れてくる家臣は間者と思え。恐らく先の戦闘の事は信長に筒抜けであろう。何故信長がこのわしに嫁をよこすか。意味がないわけがない。」
「電球の事は知られているのでしょう。作り方がわからなければどうということはないのでは?」
助さんが自信ありげに言った。
「そう、簡単に真似できる物ではない。だとしたらどうする?お前が信長なら。」
しばらく考えてから格さんがあっと言い、大変さに気づいた。
「気がついたか。そう、職人をさらう、もしくは誘惑して連れ出す。拷問する。用は人じゃ、狙われるのは。助さん格さん、お前らが一番危ないぞ」
伊那の人間を使っている事はバレているだろう。高遠の近くでも不味い。工場を不便だが諏訪の山中に引っ越す事にした。高遠には塩硝工場のみ残し、隠れ蓑とした。
そっちに目が行くように仕向けていく。まだ織田とどうするか決めてないからね。
あと、歴史では雪姫は短命だしどうなることか。
雪姫のお迎えに小原兄弟ら50名が向かった。これは父上が手配したのだが、あまり父上はこの婚儀には乗り気ではないらしい。自分で決めたのにね。長男が今川の娘で、次が織田の養女だからわからんでもないが。
城の前で出迎える事にした。この世に生を受けて52年、ついに結婚できる。まだ19だけど。
籠から女の子が降りてきた。
「雪でございます。末永くよろしくお願い申し上げます。」
本当に美人だった。
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