第95話
1838年
レガリス中央新聞
紅葉の月12日
“ヴェンデル・レーヴェ氏、自律駆動兵開発への投資計画を撤回”
先日のワーディーボンディッツ地区で起きたコールリッジ氏暗殺事件を機に、著名な投資家のヴェンデル・レーヴェ氏が以前検討していた、自律駆動兵開発への投資計画を正式に撤回する旨を公表した。
レーヴェ氏は今回の投資計画の撤回に対しては、“未来と発展が期待出来る程の計画とは思えない”とだけコメントしている。
先日亡くなられたレスター・コールリッジ氏の実父、カーティス・コールリッジ氏は今回の投資計画撤回について「息子の様な犠牲者が何人集まれば、未来を見据える事が出来るのか」「自分が人類の未来への一端を担っている事が何故分からないのか」とレーヴェ氏を痛烈に批判した。
一方、自律駆動兵を開発したクリストフォロ・ピアッツィ氏は、今回の件については「非常に興味深い」とだけコメントし、それ以降コメントを差し控えている。
様々な憶測が語られているが、意図は不明である。
先日、ペラセロトツカ国内初のテネジア教への改宗施設が遂に完成した。
以前から問題視されていた、ペラセロトツカ国内に蔓延る邪教徒を改宗させるこの施設により、ペラセロトツカ国内の治安の悪化に歯止めを掛けられると帝国は発表している。
浄化戦争後に滞っていた“文明舗装”計画も次第に着手が始まり、ペラセロトツカ国内の各所に重装刑務所や廃棄処理場が設立される予定。
また同国の浮遊大陸の運用を一部見直し、輸出を目的とした大規模農園を設立する計画も進行中。
これにより、作物をより潤滑に生産、供給出来る事が期待されているとの事。
ペラセロトツカ国内の重装刑務所の設立により、レガリス国内の重犯罪者を国内刑務所から移送、レガリス国内での刑務所施設による犯罪者の更なる収容、もしくは区域運用の見直しが期待されている。
亜人の児童を対象とした、マグダラ語やテネジア教徒の基本を教育する、寄宿学校をペラセロトツカ国内の各所に設立する計画も進行中。
平行して、該当人種の児童は一定の年齢から寄宿学校に入学する事を義務化する法律も計画されており、早ければ来年の半ばには施行予定との事。
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