第59話

 ダスティへ。





 リバーヒルの話は聞いたわ。祈ってあげても良い。でも私は修道女でも何でもない。


 優秀だったのかも知れないけど、私は結果を求めるし、結果で生き残ってきた。言いたい事は分かるわよね。


 今回の要求も、以前送った手紙と変わらない。次回の抗争では必ずランゲンバッハを始末して頂戴。


 あの女が生き残っているだけでも最悪なのに、よりによって“スナークス”のメンバーに匿われてるなんて、未だに信じられない。


 それを未だに殺せない貴方達にも。アイルガッツ刑務所に居れば、檻が守ってくれると思ってるなら大間違いよ。


 貴方の名前を出しながら刑務所のブージャム達に流す“青タバコ”を減らせば、どんな目に合うか想像してみなさい。そうなりたくなければ、次の抗争ではランゲンバッハを絶対に仕留めて。


 貴方がヤギの親戚でも無い限り、“青タバコ”の生産において私がどれだけ貢献してるかは分かってるわよね?


 あのアバズレはそんな私を破滅させかねない秘密を握っているの。万が一にもあの女を表に出しては駄目。刑務所の中なら、まだ何を喚いても「よくあるホラ話」で片付くわ。


 狙い打ちして疑われても面倒なの、必ず“抗争中の事故”で殺して。


 頼んだわよ。ブージャムの中で生き残りたいなら、次こそ命懸けであの女を殺して頂戴。





 P.S.これからはこう言った手紙も頻繁には送れなくなる。内通者への賄賂が値上がりしたから、次の返信は成功した時で良いわ。

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