鳥と魔女と密猟者

作者 坂水

よだかは星へなにを託し得たのか

  • ★★★ Excellent!!!

このお話はよだかのお話です。よだかの星、といえば宮沢賢治の童話のひとつ。賢治のお話では、野鳥のよだかは自らを恥じ、嘆き、身も焦げよという勢いで天へと駆け登り、笑みひとつを残して星のひとつとなります。
このお話のよだかも、自らの居たかった場所を離れ、とある惑星に流れ着きます。星にはなれずに。そして不思議な、しかし、ありたかったものに出会います。そしてよだかは――。

居たかった場所、居たくはなかった場所。しらずしらず流され気付いた時にはそこに居る。間々あることです。時にはその場へ留まり、時には離れ、そして、時には縛り付けられる。しかし、星ではない我々はいつかその場所を離れる日がやって来るのでしょう。なにかのきっかけで。誰かの、あるいは、自らの意思で。

自分ならどんな星へと流れつき、どんなものが見えるのだろう。そして、どんなお別れをするのだろう。そんな事をふと考えてみたくなるお話でした。宇宙の持つ、ち密さとわからなさがお好きな方でしたら、是非。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

その他のおすすめレビュー

吉岡梅さんの他のおすすめレビュー 391