次の機会は今来たれり(ウィノside)
暗黒街の一角、 ある建物を睨むウィノ。
「・・・・・」
アラモードが倒されてからこの建物に連れていかれたのを確認している。
ウィノは逡巡を続けていた。
「行くか、 帰るか・・・この場所を議員さん達に伝えて・・・
いやその間にアラモード殿下が殺されたら・・・」
過呼吸になりつつも迷うウィノ。
「・・・・・」
家族の顔が思い浮かぶ、 もう絶縁された父が・・・
「・・・・・」
自分はこんな情けない男に、 騎士にすら慣れていない男になりたかった訳じゃない。
「次の機会に頑張れば良い・・・」
先程アラモードに言われた言葉だった。
「次だ次・・・」
そう言いながら立ち上がるウィノ。
「・・・・・落ち着け、 ウィノ
考えろ、 次戦えと前言われたんだから今戦うしか無いだろうが!!」
喝を自分に入れるウィノ。
そして廃マンションから持って来たアヤワスカの入った飯盒を持つ。
「自信を持て・・・アラモード殿下の強さを俺の10倍としよう
そしてこれをコップ1杯飲んで強さが5倍になっていた、 つまり俺の50倍
コップ2杯で5×2で10倍、 いや違う5×5で25倍か・・・?」
ぶつぶつと何かを言い始める。
「・・・・・出し惜しみは無しだ、 全部飲んじまえ」
そう言いながら飯盒に口を付けてアヤワスカを全部飲み干そうと試みるウィノ。
まともな思考では無い、 こんな事をすればオーバードーズで死んでも可笑しくない。
「うぐ・・・ぐ・・・」
変な味で吐きそうになる、 だがしかし
「逃げてたまるか!!」
無理矢理流し込み嚥下するウィノ。
「・・・・・」
嘔吐するウィノ。
アヤワスカは服用時に吐き気、 悪寒等の症状が出る。
ウィノが飲んだ量は半端ではない、 致死量にも匹敵する。
「うわ、 うわああああああああああああああああああああああ!!!」
アヤワスカを服用した事で彼の精神は圧倒的な情報量に襲われた。
まさに光の洪水、 音の濁流と言うべきものだろうか。
「なんだ・・・?」
周囲の亜人達が様子を見に来る。
スカイやマヤに報告されれば一巻の終わりだが・・・
「何だコイツ・・・」
「吐いてるしヤバい病気でも持ってるかもしれねぇ、 近づかない方が良い」
「ほっといて良いのか?」
「こんな状態の奴に何か出来る訳ねぇだろ」
亜人達に見過ごされ九死に一生を得るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます