手札の開示(アラモードside)

「細かい理屈は置いておきましょう、 それで未来で一体何が起こると?」

「良くぞ聞いてくれました!!」


マヤがテンション高めにアラモードに顔を近づける。


「もう直ぐカラメル王国は滅亡する!!」

「滅亡する? 何故?」

「半魚人共が大陸内部の亜人達の地殻変動兵器を使用して

カラメル王国を沈没させる!!」

「・・・・・何というかスケールが大き過ぎて飲み込めないよ」

「信じ難いのも分かる、 だがしかし亜人達で調べ上げた情報によると

確かにそういう兵器は有るらしい」


スカイが注釈した。


「じゃあ何故亜人達はその兵器を使わない?

聞いた話によると八王? だっけ、 そういう連中同士で争っていると聞くけど」

「使ったら内陸中心部もただじゃすまない

崩壊する危険性が有るらしい」

「何でそんな物騒な物を作ったの?」

「そこまでは知らない、 ただ、 もう直ぐなのは確かよ

カマボコ公国の大瀑布を登った半魚人共がもう直ぐにでも事を起こす

そしてカマボコ公国とカラメル王国の大半が沈み巨大な河川と化す

フライは残ったカラメル王国の国土を人民の保護を名目に支配するつもりよ」

「・・・・・」


懐疑的なアラモード。


「まぁ百歩譲ってカラメル王国が滅亡するとしてそれがラビーと如何関係が有ります?」

「ラビーは王国を愛する公爵令嬢、 ならば私に協力するでしょう」

「・・・・・何だか話が見えない、 雑過ぎる

最初の話に戻るけど、 ラビーが居るからと言って父上に勝てる訳無いでしょうが」

「いや、 ラビーの固有魔法には誰も勝てない

まだ覚醒していないけども私が協力すれば覚醒出来る筈!!」

「・・・・・」


アラモードは少し考えた。

ノストラダムスがもしも未来予知が出来るのならば

ラビーの事も知って居る筈、 だからラビーを娶ったら次期皇帝と言い始めたのだろうか。


「そのラビーの固有魔法と言うのは?」

「協力を確約していない貴女に教える訳にはいかない」

「・・・・・」


交渉が上手い、 と思うと同時にやはり疑問がある。


「ラビーがどれだけ強い魔法を持っているかは知りませんが

戦争は強い一人が居れば勝てると言う物でも無いでしょう」

「ならばもう一つの切り札を教えましょう」

「マヤ、 アレを見せるつもり?」

「良いじゃない見せるだけならば」


にやり、 と笑うマヤであった。

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