油断大敵(巾木side)

路地裏に隠れる巾木、 密、 園田、 金鬼。


「おい!! 居たか!?」

「見失った!!」

「何処行った!?」

「追跡能力持ちは!?」

「皇帝の娘の方に行ったよ!!」


亜人達のチンピラが4人を探し回っている。


「・・・・・ここも時間の問題だな」

「ですね、 ラビー嬢が何とか大使館の中に入れたのは良いんですが

締め出されるとは予想外でしたね」

「雷もかなりダメージを受けていたが・・・まぁアイツならば大丈夫だろう

現状はあまり良いとは言えないが最悪でも無い」

「だな」


この4人は今探し回っている連中は訓練の足りない者だと言う事を理解している。

この程度の連中ならば戦うのは面倒だが裏をかいて逃げる事も容易である。


「と思っていたんだがなぁ」


密が後ろを指差す、 そこには頭が靴になった亜人が居た。

全員が判断した、 こいつは今、 探し回っている亜人のチンピラとは違う

歴戦の猛者だと


「抵抗は無意味「んだこらああああああああああああああああああああ!!!」

「舐めてんのかゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


叫ぶ園田と密。


「愚かな、 勝てないと分かって虚勢を「何が虚勢だゴラアアアアアアアアアアア

去勢してやるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「うるさ・・・何、 人間って皆こうなの?」

「「んな訳ねーじゃん」」

「・・・・・あ?」


靴の亜人は自分の胸を見た、 血が溢れ噴き出している。

そして現れる金鬼、 そして金鬼の小柄で胸を貫かれている。


「な、 ん」


靴の亜人は『こいつはずっとそこにいただろ』と疑問を口にする前に絶命した。


何と言う鮮やかな手際か!!


密と園田、 そして金鬼はまともにやり合ったら恐らく誰かが犠牲になる力量と判断。

金鬼の【TimeLag】で自身の行動像を停止させてあたかも自分が動いていないように偽装

相手が視認できない内に靴亜人の元に近付く

だがしかし姿が見えないとは言え歴戦の猛者相手に近付くのは危険。

盲目の剣豪が確実に敵を捕らえ斬る様に対処されるのは確実。

故に密と園田は大声を出して気を逸らす、 靴の亜人は突然の行動に対し

侮ってしまった、 弛緩した体に金鬼の攻撃。


【雷馬】の必勝パターンの一つでもある一連の流れは鮮やかで職人芸とすら言える。


「おい、 こっちから大声がしたぞ」

「聞こえた、 皆を呼べ!!」


代償としてチンピラ達が集まるが目の前の靴の亜人に襲われるよりはマシと判断した。

4人は身構えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る