人と料理の暖かさ

「皆さん冷静になりましょう」


困惑する一同を諫めるラビー。


「冷静たって・・・」

「いざという時は私が止めますよ雷」

「止めるって・・・そんな事出来るんですかラビー嬢?」

「凍り付かせて止める、 かなりキツイけども出来る筈」

「・・・まぁ出来なくは無い、 か?」

「とりあえず食事にしませんか?」

「そうしますか」

「いやいや、 可笑しいだろ」


ウィノが突っ込む。


「何故このタイミングで食事?」

「何故って、 長丁場になるのですから今の内に食べておきましょうよ」

「・・・・・」


ラビーの斬り返しに言葉も出ないウィノ。

そんなウィノを後目に馬車から食料を探すラビー。


「パンとソーセージやハム等の加工肉、 野菜に水ね

手軽にホットドックでも作ります?」

「作るって言うのかそれ? パンにソーセージ挟んだだけじゃないか」

「じゃあ手の込んだ物を作りましょう!!」

「す、 すみません・・・」


若干キレ気味になったラビーに引くウィノであった。

ラビーは持って来ていた調理道具でテキパキと料理を作り始めていく。


「とは言ってもウィノの言う通り、 ホットドッグに手が込むも何もあるのか?」

「そうですよね公爵閣下、 ホットドッグって所詮はあまり手の込んだ物じゃないですからね」

「いやいや、 御二方、 これがまた旨いんですよ」


巾木がフォローする。


「さてと出来ました」


あっさりと人数分のホットドッグを作ったラビー。


「ケチャップとマスタードはご自由に」


ひょい、 と出すラビー。


「持ち歩いているのか?」

「えぇ、 まぁ」

「では頂きます」

「・・・・・いただきます」


ケチャップ、 マスタードをかけて、 それぞれもぐもぐと食べる一同。


「あぁー、 確かにちゃんと料理だわ」

「そうね」


ツイストとアラモードが口々に言う。


「なるほどな、 玉ねぎがサイの目斬りになっていて食感が楽しめるな」

「このマスタード自家製?」


文句をグダグダ言っていたゼロとウィノも絶賛していた。


「あったかいのが良いよね」

「そうそう、 それが一番肝心だ」

「料理があったかいのは普通じゃないのか?」


【雷馬】のメンバーのコメントに止せば良いのに突っ込むウィノ。


「いやいや戦場ではパンだけとかそう言う時が良く有る」

「温かくも冷たくもない飯が出る事はザラだ

こういう温度が有る物は娑婆の感じがして良いな、 と思う

ラビー嬢はこういう配慮が出来て良い人だなって思う」

「そんなもんかねぇ」

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