メロンカッター!!

「それじゃあ冷やしますか」

「冷やす?」

「えぇ、 あ、 私の固有魔法で冷やす事は可能で」

「そうじゃない、 直ぐに食べないのか?」


ラビーの言葉にツッコミを入れるアラモード。


「冷やした方が美味しいですよ?」

「でもすぐ食べたいじゃないか」

「・・・如何します?」


騎士達に尋ねるラビー。


「メロン自体が良く分からんから店長に任せるよ」

「はい、 了解します、 ならばパパパッと冷やしますね

アラモード殿下、 そのメロンを私に」

「ほい」


メロンを受取るラビー。

そして魔法で冷やす。


「じゃあ早速カットしますね」

「待って」


ペティナイフを取り出すアラモード。


「私がカットしよう」

「いやいや、 御手を煩わせる事は」

「ふふん、 魅せてやろう、 我がカット技術を!!」


そう言うとメロンを1/4サイズに切った後に斜め半分にカット。

果肉と皮の間に包丁を入れて切り離し一口サイズにして

皮の上に立体的になるように一口サイズに切ったものを盛り付ける。


「どうよ?」

「べちゃべちゃになるからキッチンで切って欲しかったですけど

見事なカットですね、 フルーツカッティングと言う物でしょうか」

「分かるぅ? さ、 じゃあ早速食べて見なさい

良く分からない頭の連中とでぶ妖精共も」

「じゃあ頂きます」

「頂くにょ―」


メロンを食べる一同。


「おぉー・・・美味しいね」

「旨いな・・・」

「おいしーにょー」

「確かに美味しい・・・ですがこれで貴方の妻になるとは思わないで頂きたい」

「ふっ、 ならば待つわ!! 私待つわ!! 何時までも待つわ!!」

「え、 えぇ?」


困惑するラビー。


「あら? 無理矢理連れていかれるのが好みだった?」

「いえいえ、 そんな事は有りませんよ

寧ろツイスト殿下に無理矢理連れていかれて拒否したくらいですから」

「でしょ? 男って言うのは嫌よねー、 女が男の付属品みたいに

自分の想い通りになって当たり前、 みたいな感じでさー」

「そこまでは思いませんが・・・まぁ、 付属品は嫌ですが」

「でしょー? 私達、 良い夫婦になれそうね、 この場合、 何方が夫なのかしら?」

「いや、 それはありませんよ」


緊張もほぐれて朗らかに笑う二人であった。


「・・・俺達スルー?」


騎士は亜人も人間もスルーされて如何すれば良いか戸惑った。

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