ツイストの初めて♡(ツイストside)

ツイストは殴られた所をさする、 鼻頭では無く眉間の間を殴られた様だ。


「まだ痛むな・・・」

「痛め止め飲みます?」

「いや・・・しかし・・・」


ツイストは考える。

今まで色んな女性を相手にしたが顔面を殴られたのは初めての経験だった。


「男子の顔を殴るとはな・・・」

「あの店長を怒らせたんですか?」

「まぁな・・・」

「何やったんですか?」

「再起不能にしようかと」

「何でそんな事を?」

「ぐいぐい来るなぁ、 頭剣なのに口が達者だな」

「まぁ人格と頭は違いますし」

「あぁ・・・何となく分かる

顔面だけよくて中身が真っ黒な女は腐るほど見た」

「そうですか」

「おい、 喋り過ぎだ」


勲章の騎士が剣の騎士に注意する。


「固い事を言うな、 僕は初体験をしたんだからな

語りたいんだよ」

「は、 初体験?」

「そう、 僕は初めて女から殴られた、 まぁ痛いが・・・

斬新な体験だったよ」

「・・・・・マゾ?」

「こら!!」


剣の騎士の呟きに怒る勲章の騎士。


「まぁ殴られた返しはするさ、 殴られっぱなしは性に合わない」

「・・・店長に危害を加えるのはおススメしませんよ」

「安心しろ、 真綿で首を締めるように優しくしてやるよ」

「それは寧ろ苦しめているのでは?」

「男の『優しくする』程、 信用出来ない言葉は無いだろう」

「?????」


首を傾げる剣の騎士と納得した様な勲章の騎士であった。






画して騎士達の詰め所に連れて来られたツイストはソーラーと対面した。

貴賓室とは言え相席は少し狭い。


「ソーラー兄さん、 来ていたんですか?」

「・・・・・」


パラパラとソファに座って新聞を読むソーラー。


「それは?」

「哀れなり愚弟、 新聞すらも分からなくなってしまったんですか」

「いや、 新聞は分かりますが・・・何処の新聞ですか」

「あの物理的に頭が可笑しい連中の新聞ですよ

暇なので読んでいます」

「はぁ・・・新聞ですか・・・欲求不満なマダムからのお誘いの三行広告とかありませんか?」

「貴方、 それで一度痛い目見ているじゃないですか、 凝りませんねぇ・・・」


新聞を閉じるソーラー。


「その顔からすると打っ飛ばされたみたいですね」

「え、 顔に傷が無いと思ったけど傷付いてました!?」

「傷は無いが痣は有りますよ」


さ、 と鏡を見せるソーラー。


「・・・・・これはこれで御洒落?」

「いや御洒落では無いでしょう」

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