結局上手く行かないウィノ(ウィノside)

早馬が来るまでの間、 アラモードを縛るウィノ。


「ウィノ、 これ以上罪を重ねるな」

「五月蠅い!! 元々俺は何も悪い事してないだろうが!!」


ポッキーの言葉に対して言い返すウィノ。


「ポッキー、 彼を刺激しないで」

「しかしアラモード殿下」

「殿下?」

「あぁ、 私ビア帝国の第20皇女だから」

「何!? そんな大物なのか!?」

「良く考えろウィノ、 皇女を人質にしたら

皇帝を始めとしたビア帝国の者達が黙っていないぞ、 まず間違い無く殺される」

「まぁまぁ、 ポッキー、 そんなにめくじらを立てずに」


説得するポッキーを宥めるアラモード。


「・・・・・こういう事も慣れっこなのか?」

「えぇ、 まぁ、 何とかなるでしょ」


ウィノの問いに答えるアラモード。

全く焦っていない。


「早馬の準備が出来たぞ!!」

「よし、 ならば行くぞ、 おら、 歩け」

「はいはい」


ウィノに大人しく従うアラモード。


「あ、 そうだポッキー、 荷物で買って来た生菓子

悪くなる前に食べちゃっていいよ」

「え、 いや・・・はい?」


アラモードの言葉に戸惑うポッキー。


「それから刺激しない様に後は着いて来ない様に」

「え・・・し、 しかし・・・」

「後から言われたら『アラモードが来ないでと言った』と言いなさい」


建物の外に出るウィノ達。

ウィノは早馬にアラモードを乗せて早馬に乗ると駆け出したのだった。


「副団長、 追わなくて良いのですか?」

「あの安心ぶりからして何か有るのだろう・・・信じて待とう

それよりも、 だ」


ポッキーはイケイケの男に向き直る。


「貴様、 何故ウィノをここに匿っていた?」

「か、 匿っていた訳じゃありません・・・

住み込みの仕事で雇っていただけです、 指名手配犯だと知らなくて」

「分かった分かった、 話は詰め所で聞こう」

「あう・・・」









早馬で王都を抜け出したウィノとアラモード。


「・・・追手は来ない様だな」

「そうねぇ、 とりあえず赤い森に向かって貰って良い?」

「何を言っている? お前は人質だぞ?」

「向かえ」


がっ、 とマジックハンドを発動しウィノの首を絞めるアラモード。


「ぐっ!?」

「さっさと行け、 赤い森が見える所まで行ったら解放してやる」


立場が逆転する二人。

ウィノは剣を掴もうとするも既に剣は投げ捨てられていた。


「がっ!?」

「ほらほら、 言う事聞かないと首折れるぞ?」

「くっ・・・くそ!!」


ウィノは早馬を走らせて赤い森に向かって行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る