たらいまわし

「おでぶちゃんも食べたい物が有るにょ」

「何だ、 貴方も御馳走して欲しいの?」

「そのとーり」

「良いだろう、 私に作れる物だったら何でも言ってくれ」

「じゃあ溶岩でハンバーグを作ってー」


フリーズする一行。


「溶・・・岩? ってアレだよな・・・どろどろして熱い・・・」

「あ、 マグマじゃないよ、 溶岩プレート」

「溶岩プレート・・・」


料理人がラビーを見る。


「溶岩プレートってアレでしょ? 溶岩を加工して作られたプレートでしょ?」

「聞いた事無いが・・・何なんだそれは?」

「遠赤外線効果で中からじっくり焼き上げられる

必要最低限の水分しか出ないため野菜はジューシー、 お肉はふっくら焼ける

でもウチのお店にも無かったよ」

「うにゅ、 溶岩プレートをもっているおでぶちゃんを教えるにょー」

「鴨肉を手に入れる為の料理を作る為の道具探しか・・・面倒だな」

「まぁまぁ・・・良い物だし持っていて損は無いですよ」


おでぶちゃんから別のおでぶちゃんの元に移動するラビー達。

そのおでぶちゃんも通路を塞ぐほどの大きさであった。


「むにゃむにゃ・・・なんなにょー」

「溶岩プレートが欲しいんだが・・・」

「ん-・・・じゃあおでぶちゃんに作って欲しい物が有るにょー」

「またこのパターンか・・・何だ、 何を作って欲しいんだ?」

「無限ピーマン」

「無限ピーマン?」

「無限ピーマンねぇ・・・」


無限ピーマンとはピーマンとツナ缶と調味料を混ぜて作る料理である。


「無限ピーマン、 作った事は有るけど・・・」

「聞いた事が有って気になっていたんだけど食べた事無くて・・・」

「ん?」


ラビーはここで疑問に思った。

聞いた事が有る? 無限ピーマンはSNSで流行った料理だ。

それを聞いた事が有る?

そんな疑問が浮かんだがスイーツキングダムは日本のゲーム。

そういう設定が有るのだろうと納得したのだった。


「店長、 相手がどんな料理だか知らないんだったら

適当な物を出しても良いんじゃないの?」


少年が囁く。

パシン、 とラビーが少年の頭を叩いて笑った。


「馬鹿言うんじゃないよ、 料理人なんだから作るに決まっているじゃない」

「その通り、 プロは手を抜かない物だ、 店長、 その無限ピーマンとやら

どんな料理なんだ?」

「まずは材料を調達しないと」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る